最初に結論から:Notionとは何かを一言で言うと?
Notionを一言で表すなら、「デジタル版の自由帳」です。
もう少し詳しく言うと、メモやタスク、スケジュール、ファイル、データベースなど、仕事や生活で必要なあらゆる情報を1つの場所にまとめて管理できる、オールインワンのツールです。
たとえば、こんな経験はありませんか?
- メモはスマホのメモアプリに書いて
- タスクはToDoリストアプリで管理して
- 会議の議事録はWordやGoogleドキュメントに残して
- ファイルはDropboxやGoogleドライブに保存して
- プロジェクトの進捗管理はスプレッドシートで追いかけて…
こうやって複数のツールを行き来していると、「あれ、あの情報どこに保存したっけ?」と迷うことが増えますよね。
Notionは、これら全部を1つのワークスペース(作業空間)にまとめられるツールなのです。紙のノートのように自由に書けるのに、デジタルならではの検索性や整理機能も使える。そんな「いいとこ取り」ができるのがNotionの魅力です。
「どう使えばいいか分からない」はなぜ起きるのか
Notionを使い始めた人の多くが、こんなモヤモヤを抱えています。
- 「何ができるツールなのか、よく分からない」
- 「自由すぎて、どこから手をつけていいか迷う」
- 「テンプレートがたくさんあるけど、どれを使えばいいの?」
- 「データベースって何? 難しそう…」
このモヤモヤが起きる理由は、Notionが「万能すぎる」からです。
多くのツールは、「これはタスク管理専用」「これはメモ専用」と用途が決まっています。でもNotionは、ユーザーが自分で使い方を決められる「真っ白なキャンバス」のようなもの。自由度が高い分、最初は「何をすればいいの?」と戸惑ってしまうのです。
また、Notionには「ブロック」「データベース」「プロパティ」といった独自の概念があり、これらを理解しないと真価を発揮できません。でも、最初から全部理解する必要はありません。
まずはシンプルなメモ帳として使ってみて、慣れてきたら少しずつ機能を試していく。そんな「スモールスタート」が、Notionを使いこなすための一番の近道です。
Notionを分解して理解する
Notionの仕組みを理解するために、3つの要素に分けて見ていきましょう。
1. 仕組み:「ブロック」という考え方
Notionでは、すべての要素が「ブロック」という単位で構成されています。
たとえば:
- 1行の文章 = 1つのブロック
- 見出し = 1つのブロック
- 箇条書きのリスト = 1つのブロック
- 画像 = 1つのブロック
- 表(テーブル) = 1つのブロック
これらのブロックを積み木のように自由に組み合わせて、ページを作っていくイメージです。ブロックは簡単に移動したり、削除したり、複製したりできるので、レイアウトの変更も自由自在です。
WordやGoogleドキュメントのように「文章を書く」という制約がなく、テキスト・画像・リスト・表などを自由にミックスできるのがNotionの大きな特徴です。
2. メリット:情報を一元管理できる
Notionを使う最大のメリットは、バラバラだった情報を1か所にまとめられることです。
たとえば、プロジェクトを進めるときにこんな使い方ができます:
- 議事録ページ: 会議の内容をメモ
- タスク管理ページ: チェックボックスでやるべきことをリスト化
- 進捗管理データベース: タスクの担当者や期限、ステータスを一覧で管理
- 資料置き場: PDFや画像ファイルを添付して保存
これらすべてがNotion内で完結するので、「あのファイルどこだっけ?」「会議の決定事項、どこに書いたっけ?」という無駄な時間が減ります。
また、Notionはチームでの共有も簡単です。ページのリンクを送るだけで、同僚や友人とリアルタイムで同じ情報を見たり編集したりできます。Googleドキュメントのような共同編集機能が、あらゆるページで使えるイメージです。
3. 注意点:最初から完璧を目指さない
Notionを使い始めるときに気をつけたいのは、「最初から完璧な構造を作ろうとしない」ことです。
インターネットで「Notion 使い方」と検索すると、美しく整理されたワークスペースの事例がたくさん出てきます。でも、それは長い時間をかけて作り込んだ結果であって、最初からあんなふうに作れるわけではありません。
むしろ、最初は:
- シンプルなメモページを作ってみる
- ToDoリストを書いてみる
- 好きな映画や本のリストを作ってみる
こんな小さなことから始めて、「Notionってこういうふうに動くんだ」という感覚をつかむことが大切です。
また、Notionは多機能ゆえに、スマホアプリだけで使おうとすると操作が難しい場合があります。最初はパソコンのブラウザ版やデスクトップアプリで触ってみて、慣れてきたらスマホでも使う、という順番がおすすめです。
実際の場面でどう役立つのか
Notionが実際にどんな場面で役立つのか、身近な例を3つご紹介します。
例1:個人のタスク管理・日記
毎日やることが多くて頭がごちゃごちゃしている…そんなときにNotionが便利です。
たとえば:
- 毎日のToDoリストをチェックボックス付きで書いておく
- 終わったらチェックを入れるだけで「完了感」が得られる
- 日記のように「今日の振り返り」を同じページに書き足していく
紙のノートと違って、過去のページにいつでも戻れるし、検索もできるので、「あのとき何をやってたっけ?」と振り返るのも簡単です。
例2:読書記録・映画リストの管理
読んだ本や観た映画を記録しておきたいけど、ノートに書くと後で探しにくい…そんな悩みを解決できるのが、Notionのデータベース機能です。
データベースと聞くと難しそうですが、要するに「表形式で情報を整理できる機能」のこと。
たとえば:
- タイトル、著者名、評価(星5段階)、読了日、感想などを項目として設定
- 「評価が星5の本だけ表示」といったフィルター機能で、お気に入りだけを抽出
- 「2025年に読んだ本」だけを並べる、といった絞り込みも簡単
自分だけの「おすすめ本データベース」を育てていく楽しみがあります。
例3:小規模チームでのプロジェクト管理
会社やサークル、副業チームなど、少人数で何かを進めるときにもNotionは活躍します。
たとえば:
- プロジェクトのホームページを作って、全体の目標やスケジュールを記載
- タスクボードを作って、誰が何をいつまでにやるかを可視化
- 議事録ページで会議の内容を記録し、リンクで過去の議事録にアクセス
- 資料ライブラリに、企画書やデザインファイルをまとめて保存
これらすべてがNotion内で完結するので、「このファイルはDropbox、タスクはTrello、議事録はGoogleドキュメント…」と行ったり来たりする必要がなくなります。
特に、リモートワークやオンラインでのやり取りが多いチームでは、情報が散らばらないことが大きなメリットになります。
よくある誤解と落とし穴
Notionを使い始める初心者がハマりがちな誤解や注意点をまとめました。
誤解1:「データベース」は難しいもの?
Notionの「データベース」という言葉を聞いて、「プログラミングの知識が必要なのでは?」と思う人がいますが、その心配は不要です。
Notionのデータベースは、Excelの表のようなものだと考えてください。タイトル、日付、チェックボックス、選択肢(タグのようなもの)などを列として設定し、行ごとに情報を入力していくだけです。
難しいプログラミングやコードは一切不要で、マウスのクリックだけで作れます。
誤解2:無料プランでは機能が制限されている?
Notionには無料プラン(個人利用)と有料プラン(チーム利用やより大容量)がありますが、個人で使う分には無料プランで十分です。
無料プランでも:
- ページ数は無制限
- データベース機能も使い放題
- 画像やファイルのアップロードも可能(容量制限あり)
- 他のユーザーとの共有も可能(最大10人まで)
有料プランが必要になるのは、大人数のチームで使うときや、大量のファイルをアップロードしたいときくらいです。まずは無料で試してみて、必要になったら有料に切り替える形で問題ありません。
誤解3:全部をNotionに移行しなければならない?
「Notionを使い始めたら、今使っているツールを全部やめなきゃいけないの?」と思う人もいますが、そんなことはありません。
Notionは他のツールと併用できます。たとえば:
- メールはGmailのまま使って、重要な情報だけNotionにコピーする
- カレンダーはGoogleカレンダーで管理して、Notionにはタスクだけまとめる
- ファイルはDropboxに保存して、Notionにはリンクを貼る
自分にとって使いやすい形を見つけることが大切です。「全部Notionに統一しなきゃ」と思わず、少しずつ自分のペースで取り入れていくのがおすすめです。
落とし穴:ページを作りすぎて迷子になる
Notionは簡単にページを作れるので、調子に乗ってたくさん作ってしまうと、「どこに何を書いたか分からなくなる」ことがあります。
これを防ぐには:
- ホームページ(目次ページ)を1つ作って、そこから各ページにリンクを貼る
- カテゴリごとにフォルダ(Notionでは「親ページ」)を作って、関連ページをまとめる
- 検索機能を活用する(画面上部の検索バーで、キーワードを入れればすぐに見つかります)
最初から完璧な整理を目指さず、「とりあえず作ってみて、後から整理する」くらいの気持ちで大丈夫です。
今日からできる「一歩目」
Notionを使ってみたいけど、何から始めればいいか分からない…そんなあなたに、具体的な「一歩目」をご提案します。
ステップ1:アカウントを作って、最初のページを開く
まずはNotion公式サイトにアクセスして、無料アカウントを作りましょう。GoogleアカウントやApple IDでも簡単に登録できます。
登録すると、最初から「Getting Started」のようなサンプルページがいくつか用意されていますが、気にせず新しいページを作ってOKです。
ステップ2:シンプルなToDoリストを作ってみる
まずは「今日やること」をリストにしてみましょう。
- 画面左側の「+ 新規ページ」をクリック
- ページタイトルに「今日のやることリスト」と入力
- 本文に「/todo」と入力すると、チェックボックス付きのリストが表示されます
- 「洗濯をする」「メールを返信する」など、やることを書いていく
終わったタスクはチェックボックスをクリックするだけ。これだけでも、紙のメモより便利だと感じられるはずです。
ステップ3:テンプレートを1つ試してみる
Notionには、あらかじめ用意された「テンプレート」がたくさんあります。
- 画面左下の「テンプレート」をクリック
- 「読書リスト」「週次レビュー」「プロジェクト管理」など、興味のあるテンプレートを選ぶ
- 「このテンプレートを使う」をクリックすると、自分のワークスペースにコピーされます
テンプレートを見ることで、「Notionってこんな使い方ができるんだ」という発見があります。そのまま使ってもいいし、自分好みにカスタマイズしてもOKです。
ステップ4:1週間、毎日少しずつ触ってみる
Notionは、触れば触るほど「こんなこともできるんだ」と発見があるツールです。
最初の1週間は、毎日5〜10分でいいので:
- 今日やったことをメモする
- 読んだ記事のリンクを保存する
- 思いついたアイデアを書き留める
こんな小さなことから始めてみてください。使っているうちに、「ここにあの機能を追加したらもっと便利かも」というアイデアが自然に浮かんでくるはずです。
もっと深く学びたい人への道しるべ
Notionの基本が分かってきたら、次のステップに進んでみましょう。
公式のチュートリアルを見る
Notion公式サイトには、日本語の使い方ガイドが用意されています。動画やテキストで丁寧に解説されているので、「データベースをもっと使いこなしたい」「テンプレートを自作したい」といった次のステップに進むときに参考になります。
YouTubeで活用事例を見る
「Notion 使い方」とYouTubeで検索すると、たくさんの解説動画が見つかります。特に、実際にNotionを使っている人の画面を見ながら学べる動画は、「こんなふうに使えばいいのか」という具体的なイメージが湧きやすいのでおすすめです。
コミュニティに参加する
Notionにはユーザーコミュニティがあり、質問したり事例を共有したりできる場があります。X(旧Twitter)で「#Notion」と検索すると、たくさんの活用事例やテンプレートが見つかります。
他の人がどんなふうにNotionを使っているかを見ることで、「自分もこんなことできるかも」とインスピレーションが湧いてきます。
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まとめ
この記事では、Notionの基本的な仕組みと使い方を初心者向けに解説しました。
要点を振り返ります:
- Notionは「デジタル版の自由帳」で、メモ・タスク・データベースなど、あらゆる情報を1か所にまとめられるツール
- 「ブロック」という単位で文章や画像、表などを自由に組み合わせてページを作る仕組み
- 最初は完璧を目指さず、シンプルなメモやToDoリストから始めて、少しずつ機能を試していくのがおすすめ
- 無料プランで十分使えるので、まずは気軽に試してみる
- 今日からできる一歩目は、アカウントを作って簡単なToDoリストを作ること
Notionは自由度が高い分、最初は戸惑うかもしれません。でも、わからなくて当たり前です。少しずつ触っているうちに、「あ、こういうことか」と腹落ちする瞬間が必ず来ます。
まずは小さく始めて、自分のペースで育てていく。それがNotionを楽しく使いこなすコツです。