この記事で解決できる悩み
「クライアントとの大容量ファイルのやり取りがメールでは難しい」「チームメンバーと最新版のファイルを共有したいけど、どのツールがいいかわからない」「無料プランと有料プラン、結局どちらを選べばいいの?」
リモートワークや在宅勤務が当たり前になった今、オンラインストレージ・ファイル共有ツールは、個人事業主や小規模チームにとって必要不可欠なインフラになっています。しかし、Google Drive、Dropbox、OneDrive、Boxなど、多くのサービスが存在し、それぞれに特徴や料金体系が異なるため、「自分に合ったツールはどれ?」と迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、個人事業主や小規模チーム(1〜10名程度)に特におすすめのオンラインストレージ5つを厳選し、料金、容量、使いやすさ、セキュリティ、他ツールとの連携という5つの軸で徹底比較します。この記事を読めば、あなたの業務スタイルや予算に最適なツールが5分で見つかります。
比較の前提と選定基準
今回の比較では、以下の5つの軸を重視してツールを評価しています。
- 料金とコストパフォーマンス: 無料プランの容量、有料プランの月額料金(1ユーザーあたり)を比較。特に小規模チームにとってコスパが良いかを重視しました。
- ストレージ容量: 無料プランと有料プランでどれだけの容量が使えるか。動画やデザインファイルなど大容量データを扱う方には特に重要です。
- 使いやすさ・操作性: 初心者でも直感的に使えるか、デスクトップアプリやモバイルアプリの完成度はどうか。
- セキュリティと管理機能: 二要素認証、暗号化、アクセス権限管理など、ビジネス利用で安心できるセキュリティ機能があるか。
- 他ツールとの連携: Slack、Zoom、Microsoft Office、Google Workspaceなど、普段使っているツールとスムーズに連携できるか。
これらの観点から、個人事業主や小規模チームが実際に使いやすく、業務効率化に貢献できるツールを選びました。
比較一覧表
| ツール名 | 無料プラン容量 | 有料プラン料金(月額) | 主な用途 | 日本語対応 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Google Drive | 15GB | ¥250〜(100GB) ¥380〜(200GB) ¥1,300〜(2TB) |
個人・小規模チーム | ◎ | Googleツールとの連携が強力 |
| Dropbox | 2GB | ¥1,500〜(2TB/個人) ¥1,800〜/ユーザー(チーム) |
個人・チーム | ◎ | 高速同期・バージョン管理が優秀 |
| Microsoft OneDrive | 5GB | ¥224〜(100GB) ¥1,082〜(1TB+Office) |
個人・Microsoftユーザー | ◎ | Microsoft 365と統合 |
| Box | 10GB | ¥1,881〜/ユーザー(100GB) | 企業・セキュリティ重視 | ◎ | 高度なセキュリティ・120種類以上のファイルプレビュー |
| iCloud Drive | 5GB | ¥130〜(50GB) ¥400〜(200GB) ¥1,300〜(2TB) |
Apple製品ユーザー | ◎ | Apple製品間での自動同期 |
※料金は2025年時点の情報です。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。
各ツールの詳細解説
1. Google Drive:Googleツールとの連携が最強
Google Driveは、Googleが提供するオンラインストレージサービスです。無料で15GBの容量が使えるほか、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのオフィスツールと完全に統合されています。
こんな人におすすめ
- Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメントを普段から使っている
- リアルタイムでの共同編集を頻繁に行う
- まずは無料プランで試してみたい
- 中小企業やフリーランスで、Googleツールをメインに使っている
料金プラン
- 無料プラン: 15GB(Gmail、Googleフォト含む)
- Google One 100GB: 月額¥250(年払い¥2,500)
- Google One 200GB: 月額¥380(年払い¥3,800)
- Google One 2TB: 月額¥1,300(年払い¥13,000)
- Google Workspace: Business Starter 月額¥680/ユーザー(30GB)
メリット
- 無料プランが充実: 15GBは主要サービスの中でも大容量で、個人利用なら十分なケースも多い。
- リアルタイム共同編集: Googleドキュメントやスプレッドシートで複数人が同時に編集できる。バージョン管理も自動。
- 検索機能が強力: Googleの検索技術を活かし、ファイル名だけでなく画像内のテキストやPDF内の文字も検索可能。
- 幅広い連携: Slack、Zoom、Asanaなど、多くのビジネスツールと連携できる。
注意点・デメリット
- 同期速度がやや遅い: Dropboxと比較すると、他デバイスでのファイル更新反映に若干の遅延が発生することがある。
- 容量がGmail・Googleフォトと共用: 15GBをメールや写真と共有するため、気づいたら容量不足になりがち。
2. Dropbox:高速同期とバージョン管理で選ぶなら
Dropboxは、オンラインストレージの老舗として知られ、特に同期速度の速さとシンプルな操作性に定評があります。個人プランからチームプランまで幅広く対応しています。
こんな人におすすめ
- 高速なファイル同期を重視する(特に大容量ファイル)
- デザイナーやクリエイターで、バージョン管理が重要
- 直感的でシンプルなUIが好き
- 共有リンクにパスワードや有効期限を設定したい
料金プラン
- 無料プラン: 2GB
- Plus(個人): 月額¥1,500(2TB)
- Professional(個人): 月額¥2,400(3TB+高度な共有機能)
- Standard(チーム): 月額¥1,800/ユーザー(5TB/チーム)
- Advanced(チーム): 月額¥2,880/ユーザー(容量無制限)
メリット
- 業界トップクラスの同期速度: 独自の差分同期技術により、ファイルの変更部分だけを高速でアップロード。大容量ファイルでもストレスフリー。
- 優れたバージョン管理: 有料プランでは過去30日〜180日分のファイル履歴を保存。誤って上書きしても復元できる。
- 高度な共有機能: 共有リンクにパスワード、有効期限、ダウンロード回数制限を設定可能。
注意点・デメリット
- 無料プランの容量が少ない: わずか2GBなので、本格的に使うには有料プラン必須。
- 料金がやや高め: 他サービスと比較すると、同じ容量でも価格が高めに設定されている。
3. Microsoft OneDrive:Microsoft 365ユーザーなら迷わずコレ
Microsoft OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスです。特にMicrosoft 365(旧Office 365)との統合が強力で、Word、Excel、PowerPointをオンラインで直接編集できます。
こんな人におすすめ
- Word、Excel、PowerPointを頻繁に使う
- Windowsユーザー(OSとの統合が便利)
- Microsoft 365を既に契約している、または検討中
- Teamsでのファイル共有を活用したい
料金プラン
- 無料プラン: 5GB
- OneDrive 100GB: 月額¥224
- Microsoft 365 Personal: 月額¥1,082(1TB+Office アプリ)
- Microsoft 365 Family: 月額¥1,850(6人まで、各1TB+Office アプリ)
- Microsoft 365 Business Basic: 月額¥750/ユーザー(1TB)
メリット
- Office アプリとの完全統合: Word、Excel、PowerPointがオンラインで使え、ファイルもOneDrive上で直接編集・保存できる。
- コスパが良い: Microsoft 365 Personalなら、1TBのストレージ+最新のOffice アプリが月額¥1,082。Office利用者には圧倒的にお得。
- Windowsとの親和性: エクスプローラーに統合され、ローカルフォルダのような感覚で使える。
注意点・デメリット
- 1ファイルのサイズ制限: アップロードできるファイルは最大15GBまで。大容量の動画編集ファイルなどには不向き。
- Macユーザーには若干使いにくい: Windowsに比べて、Macでの統合度は低め。
4. Box:企業レベルのセキュリティが必要ならこれ
Boxは、エンタープライズ向けに設計されたクラウドストレージサービスです。高度なセキュリティ機能、詳細なアクセス権限管理、そして120種類以上のファイルプレビュー機能が特徴で、大企業や官公庁でも採用されています。
こんな人におすすめ
- セキュリティを最重視する(医療、法律、金融業界など)
- クライアントとのファイル共有で高いセキュリティが求められる
- 詳細なアクセス権限管理やログ管理が必要
- 多様なファイル形式をブラウザでプレビューしたい
料金プラン
- 無料プラン: 10GB(個人用)
- Business Starter: 月額¥1,881/ユーザー(100GB)
- Business: 月額¥3,240/ユーザー(容量無制限)
- Business Plus: 月額¥4,320/ユーザー(容量無制限+高度な管理機能)
メリット
- エンタープライズレベルのセキュリティ: 7段階のアクセス権限設定、暗号化、アクセスログ、コンプライアンス対応など、企業が求めるセキュリティ機能を網羅。
- 120種類以上のファイルプレビュー: CADファイル、Photoshop、動画など、専用ソフトがなくてもブラウザで確認できる。
- 大企業での採用実績: 世界95,000社以上の導入実績。信頼性が高い。
注意点・デメリット
- 料金が高め: 個人事業主や小規模チームには、コスト面でハードルが高い。
- 多機能すぎて複雑: 小規模チームにはオーバースペックで、設定が煩雑に感じることも。
5. iCloud Drive:Apple製品ユーザーならシームレス
iCloud Driveは、Appleが提供するクラウドストレージサービスです。iPhone、iPad、Macを使っている方なら、デバイス間で自動的にファイルが同期され、非常にスムーズに利用できます。
こんな人におすすめ
- iPhone、iPad、Macをメインで使用している
- 写真や動画のバックアップを自動化したい
- Apple製品間でのシームレスな連携を重視
- シンプルで使いやすいUIが好き
料金プラン
- 無料プラン: 5GB
- 50GB: 月額¥130
- 200GB: 月額¥400
- 2TB: 月額¥1,300
- 6TB: 月額¥3,900
- 12TB: 月額¥7,800
メリット
- Apple製品間での完璧な同期: iPhone、iPad、Macで撮影・作成したファイルが自動でiCloud Driveに保存され、すべてのデバイスで即座にアクセス可能。
- 料金が安い: 50GBで月額¥130、200GBで月額¥400と、コストパフォーマンスが高い。
- 写真・動画の自動バックアップ: iPhoneで撮影した写真や動画を自動でクラウドにバックアップできる。
注意点・デメリット
- Apple製品以外では使いにくい: Windows PCやAndroidでも利用できるが、機能が限定的で操作性も劣る。
- ビジネス向け機能が弱い: 共有機能やアクセス権限管理は、他のビジネス向けストレージに比べてシンプル。
用途・タイプ別おすすめ
それぞれのツールに強みがあるため、あなたの使い方や優先順位によって最適な選択肢は変わります。以下に、用途・タイプ別のおすすめをまとめました。
とにかくコスパ重視なら
→ Google Drive または iCloud Drive
無料プランの容量が大きく(Google Driveは15GB)、有料プランも比較的リーズナブル。特にGoogleツールを日常的に使っているなら、Google Driveが最もコスパが良いでしょう。Apple製品ユーザーなら、50GBで月額¥130のiCloud Driveも魅力的です。
機能の充実度・同期速度で選ぶなら
→ Dropbox
高速な同期技術、優れたバージョン管理、直感的なUI、そして高度な共有機能を備えたDropboxは、「ストレージツールとしての完成度」で言えばトップクラス。料金は高めですが、その価値はあります。
Microsoft Officeを使っているなら
→ OneDrive(Microsoft 365 Personal)
Word、Excel、PowerPointをオンラインで使え、1TBのストレージも付いて月額¥1,082。Office利用者にとっては圧倒的にお得です。Teamsとの連携も強力。
セキュリティを最重視するなら
→ Box
エンタープライズレベルのセキュリティ機能、詳細なアクセス権限管理、コンプライアンス対応が必要なら、Boxが最適。医療、法律、金融業界など、高度なセキュリティが求められる分野では定番です。
初心者・とりあえず試してみたいなら
→ Google Drive
無料で15GBが使え、直感的で使いやすく、Googleドキュメントでリアルタイム共同編集も可能。まずは無料プランで試してみて、容量が足りなくなったら有料プランにアップグレードするのがおすすめです。
Apple製品をメインで使っているなら
→ iCloud Drive
iPhone、iPad、Macを使っているなら、iCloud Driveが最もシームレス。デバイス間でのファイル同期が自動で行われ、設定も不要。写真や動画のバックアップも楽々です。
よくある質問・迷いポイントQ&A
Q1. 無料プランだけで十分?有料プランにすべき?
A. 用途によります。個人利用で、メールやドキュメント中心なら、Google Driveの無料15GBで十分なケースも多いです。ただし、写真や動画を頻繁に保存する、チームでファイル共有をする、バージョン管理が必要、といった場合は有料プランがおすすめです。特に、ビジネス利用では有料プランのセキュリティ機能や管理機能が重要になります。
Q2. どのツールが一番安全?
A. セキュリティの観点では、Boxが最も高度な機能を提供しています。次いで、Dropbox、OneDrive、Google Driveもビジネスプランでは高いセキュリティを確保しています。いずれも二要素認証、暗号化、アクセス権限管理などの基本機能は備えているため、適切に設定すれば安全に利用できます。
Q3. 日本語サポートはある?
A. 今回紹介した5つのツールはすべて日本語に対応しており、日本語サポートも提供されています。特にGoogle Drive、OneDrive、iCloud Driveは日本での普及率が高く、日本語の情報も豊富です。
Q4. 乗り換えは簡単?データ移行はどうする?
A. 多くのツールは、他のストレージサービスからのデータ移行機能を提供しています。例えば、Google DriveはDropboxやOneDriveからのインポート機能があります。また、デスクトップアプリを使えば、ドラッグ&ドロップで簡単にファイルを移動できます。ただし、大容量データの移行には時間がかかるため、計画的に進めましょう。
Q5. チームで使う場合、人数制限はある?
A. ビジネスプランでは、ほとんどのサービスで最低ユーザー数が設定されています。例えば、Google Workspaceは1ユーザーから、Dropbox Businessは3ユーザーからが基本です。小規模チームなら、個人プランの共有機能を活用するのも一つの選択肢です。
Q6. ファイルの同期速度はどれが一番速い?
A. 一般的に、Dropboxが最も高速と言われています。独自の差分同期技術により、変更部分だけを効率的にアップロードします。ただし、Google Drive、OneDriveも近年は速度が改善されており、通常の業務では大きな差を感じないことも多いです。
Q7. スマホでも使える?
A. すべてのツールでiOS・Android向けの公式アプリが提供されており、スマホからでも快適に利用できます。特にiCloud DriveはiPhoneとの統合が優れており、OneDriveもAndroid・iPhoneの両方で使いやすいです。
まとめ:結局どれを選ぶべきか
オンラインストレージ・ファイル共有ツールは、どれも優れたサービスですが、用途や環境によって最適な選択肢は異なります。最後に、タイプ別のおすすめをまとめます。
- Googleツールをメインで使っている、まずは無料で試したい → Google Drive
- 同期速度・バージョン管理を重視、クリエイティブ系の仕事をしている → Dropbox
- Microsoft Officeを使っている、コスパを重視 → Microsoft OneDrive(Microsoft 365 Personal)
- セキュリティを最重視、企業向け機能が必要 → Box
- Apple製品をメインで使っている → iCloud Drive
個人的には、まずは無料プランで試してみることをおすすめします。Google DriveやOneDriveなら無料でもそれなりの容量があるため、実際に使ってみて、自分の業務スタイルに合うかを確認してから有料プランにアップグレードするのが賢い選択です。
また、「ストレージはひとつに絞らなければいけない」というルールはありません。例えば、個人のファイルはGoogle Drive、チームプロジェクトはDropbox、写真はiCloud Drive、というように使い分けるのもアリです。
あなたの業務スタイルや予算に合ったツールを選んで、ファイル管理の効率化を実現しましょう!