パスワード管理に悩んでいませんか?
「また同じパスワードを使い回してしまった…」「このサービスのパスワード、何だったっけ?」こんな経験、ありませんか?
個人事業主や小規模チームで働いていると、日々多くのWebサービスやアプリケーションを利用します。CRM、会計ソフト、クラウドストレージ、メール配信ツール、SNS管理ツール…。気づけば管理しなければならないパスワードは数十個、場合によっては100個を超えることも。
「覚えられないから、全部同じパスワードでいいや」と思いたくなる気持ちはよくわかります。でも、それは本当に危険です。1つのサービスから情報が漏れたとき、すべてのアカウントが危険にさらされてしまいます。
そこで役立つのがパスワード管理ツールです。この記事を読めば、以下のことがわかるようになります:
- 自分に合ったパスワード管理ツールはどれか
- 無料プランと有料プランの違いは何か
- どのツールがチームでの共有に適しているか
- セキュリティと使いやすさのバランスをどう取るか
5分で読めて、今日からすぐに使い始められる情報をお届けします。
パスワード管理ツールの選定基準
今回の比較では、以下の5つの軸を重視して評価しています。
1. セキュリティの強度
最も重要なポイントです。ゼロ知識暗号化(Zero-Knowledge Encryption)に対応しているか、二段階認証(2FA)が使えるかを確認しています。ゼロ知識暗号化とは、サービス提供者でさえもあなたのパスワードを見ることができない仕組みのこと。これがあるかないかで、セキュリティレベルが大きく変わります。
2. 使いやすさ
どんなに高機能でも、使いにくければ意味がありません。自動入力がスムーズか、パスワードの登録は簡単か、インターフェースは直感的かを評価しています。
3. 料金体系
無料プランの有無、有料プランの価格、そして何人まで使えるかを比較しています。個人事業主なら無料プランで十分な場合も多いですが、チームで使うなら有料プランが必要になることもあります。
4. チーム共有機能
小規模チームで働く方にとっては、パスワードを安全に共有できるかが重要です。共有方法の柔軟性、権限管理のしやすさを確認しています。
5. 日本語対応
UIが日本語化されているか、日本語のサポートがあるかも大切なポイント。トラブルが起きたときに日本語で問い合わせできると安心です。
パスワード管理ツール 比較一覧表
| ツール名 | 無料プラン | 有料プラン料金(個人) | チーム向けプラン | 日本語対応 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1Password | なし(14日間無料トライアル) | 月額4.99ドル(年払い) | 月額19.95ドル(5人まで) | ○ | 最高レベルのセキュリティと使いやすさ |
| Bitwarden | ○(無制限) | 月額1ドル(年払い10ドル) | 月額3ドル/ユーザー | ○ | オープンソースで最もコスパが良い |
| LastPass | ○(1デバイスのみ) | 月額3ドル(年払い) | 月額4ドル/ユーザー | ○ | 老舗で実績豊富、自動入力が優秀 |
| Dashlane | なし(無料トライアルあり) | 月額4.99ドル(年払い) | 月額8ドル/ユーザー | ○ | VPN機能付き、ダークウェブ監視 |
| Keeper | なし(30日間無料トライアル) | 月額2.92ドル(年払い) | 月額3.75ドル/ユーザー | ○ | ファイル保管機能、生体認証対応 |
※料金は2025年12月時点の情報です。為替レートにより日本円換算額は変動します。
各ツールの詳細解説
1Password – 最高峰の使いやすさとセキュリティ
1Passwordは、その名の通り「マスターパスワード1つだけ覚えればOK」というコンセプトのパスワード管理ツールです。世界中の企業や個人に信頼されており、Apple、IBM、Slackなどの大手企業も導入しています。
こんな人におすすめ
- セキュリティと使いやすさの両方を妥協したくない方
- チーム全体でパスワード管理を統一したい小規模企業
- MacやiPhoneなどApple製品をメインで使っている方
料金プラン
- 個人向け:月額4.99ドル(約750円、年払い)
- ファミリー向け(5人まで):月額6.99ドル(約1,050円、年払い)
- チーム向け(5人まで):月額19.95ドル(約3,000円)
- ビジネス向け:月額7.99ドル/ユーザー
メリット
- 直感的なUI:初めてでも迷わず使える洗練されたデザイン
- 強力な暗号化:AES-256ビット暗号化とゼロ知識アーキテクチャ
- Watchtower機能:脆弱なパスワードや漏洩したパスワードを自動検出して警告
- Travel Mode:海外渡航時に機密情報を一時的に隠せる独自機能
- 豊富な連携:すべての主要ブラウザ、iOS、Android、Windows、Mac、Linuxに対応
注意点・デメリット
- 無料プランがなく、14日間のトライアル後は必ず有料になる
- 他のツールと比べるとやや高価格帯(ただし機能を考えればコスパは良い)
Bitwarden – オープンソースで最高のコスパ
Bitwardenは、完全にオープンソースのパスワード管理ツールです。無料プランでも機能制限がほとんどなく、個人利用なら十分すぎるほどの機能を提供しています。
こんな人におすすめ
- コストをできるだけ抑えたい個人事業主
- オープンソースの透明性を重視する方
- まずは無料で試してみたい初心者
料金プラン
- 無料プラン:無制限のパスワード保存、2デバイスまでの2FA
- プレミアム個人:年額10ドル(約1,500円)- 月額換算で約1ドル
- ファミリープラン(6人まで):年額40ドル(約6,000円)
- チームプラン:月額3ドル/ユーザー
メリット
- 圧倒的なコスパ:無料プランでもパスワード数無制限、全デバイス同期可能
- 透明性:オープンソースなのでコードが公開されており、セキュリティ専門家が監査可能
- セルフホスティング可能:自社サーバーで運用することもできる(技術者向け)
- 軽量で高速:動作が軽く、低スペックPCでもサクサク動く
注意点・デメリット
- UIがやや質素で、1Passwordほど洗練されていない
- 日本語サポートは基本的にコミュニティ頼み(ドキュメントは日本語対応)
LastPass – 老舗の安心感と豊富な実績
LastPassは、2008年創業の老舗パスワード管理ツールです。長年の実績があり、世界中で3,300万人以上のユーザーが利用しています。
こんな人におすすめ
- 実績のある有名サービスを使いたい方
- 自動入力の精度を重視する方
- PCとスマホのどちらか1つだけで使う方(無料プランの場合)
料金プラン
- 無料プラン:1デバイスタイプのみ(PCまたはモバイル)
- プレミアム個人:月額3ドル(年払い36ドル、約5,400円)
- ファミリープラン(6人まで):月額4ドル(年払い48ドル、約7,200円)
- チームプラン:月額4ドル/ユーザー
メリット
- 自動入力の精度が高い:Webフォームの認識精度が業界トップクラス
- パスワード共有が簡単:チームメンバーとのパスワード共有がワンクリック
- セキュリティチャレンジ:保存されているパスワードの強度を分析して改善提案
- 緊急アクセス機能:信頼できる人に緊急時のアクセス権を付与できる
注意点・デメリット
- 2021年に情報漏洩インシデントがあった(マスターパスワードは漏洩していない)
- 無料プランは1デバイスタイプのみなので、PCとスマホ両方で使うには有料プラン必須
Dashlane – VPN付きで総合セキュリティ対策
Dashlaneは、パスワード管理だけでなく、VPN機能やダークウェブ監視など、総合的なセキュリティ機能を提供するツールです。
こんな人におすすめ
- カフェなどの公共Wi-Fiをよく使う方
- ダークウェブでの情報漏洩が心配な方
- オールインワンのセキュリティソリューションが欲しい方
料金プラン
- 無料プランなし(30日間無料トライアルあり)
- プレミアム個人:月額4.99ドル(年払い59.88ドル、約9,000円)
- プレミアムプラス:月額7.49ドル(VPN無制限)
- チームプラン:月額8ドル/ユーザー
メリット
- VPN機能内蔵:公共Wi-Fi使用時の安全性を確保(プレミアムプラスプランで無制限)
- ダークウェブ監視:自分のメールアドレスがダークウェブに流出していないかを常時監視
- パスワード変更の自動化:主要サイトのパスワードを自動で変更できる機能
- 美しいUI:視覚的に優れたデザインで使っていて気持ちいい
注意点・デメリット
- 無料プランがないため、気軽に試しにくい
- 他のツールと比較してやや高価格(ただしVPN代を考えればコスパは良い)
Keeper – ファイル保管と生体認証に強い
Keeperは、パスワード管理に加えて、機密ファイルの暗号化保管機能が充実しているツールです。生体認証への対応も優れています。
こんな人におすすめ
- パスワードだけでなく、機密ファイルも一緒に管理したい方
- 指紋認証や顔認証を積極的に使いたい方
- 医療、法律、金融など規制の厳しい業界で働く方
料金プラン
- 無料プランなし(30日間無料トライアルあり)
- 個人プラン:年額34.99ドル(約5,200円)- 月額換算で約2.92ドル
- ファミリープラン(5人まで):年額74.99ドル(約11,200円)
- ビジネススタータープラン:月額3.75ドル/ユーザー
メリット
- ファイル保管機能:パスワードだけでなく、写真、動画、ドキュメントなども暗号化して保管可能
- 高度な生体認証:指紋、顔、Apple Watch認証など多様な生体認証に対応
- コンプライアンス対応:HIPAA、SOC 2、ISO 27001など主要な認証を取得
- BreachWatch:ダークウェブで漏洩したパスワードを自動検出
注意点・デメリット
- 他のツールに比べてUIがやや古めかしい
- ファイル保管機能を使わないなら、他のツールのほうがコスパが良いかも
用途・タイプ別おすすめ
どのツールも優秀ですが、あなたの状況や優先事項によって「ベストな選択」は変わります。ここでは、タイプ別におすすめを整理します。
とにかくコスパ重視なら → Bitwarden
無料プランでも無制限にパスワードを保存でき、全デバイスで同期可能。有料にしても年額10ドル(約1,500円)という圧倒的な低価格。個人事業主で「まずは無料で始めたい」という方にはBitwardenが最適です。
使いやすさと安心感で選ぶなら → 1Password
少し高めでも、直感的なUIと最高峰のセキュリティが欲しい方には1Password。Appleユーザーなら特に相性が良く、iCloudキーチェーンから簡単に移行できます。チーム全体で導入する場合も、操作が簡単なので教育コストが低くて済みます。
初心者におすすめ → LastPass
長年の実績があり、ユーザー数も多いので、困ったときに情報が見つかりやすいのがLastPass。自動入力の精度が高く、「パスワード管理ツールって何?」という初心者でもすぐに使いこなせます。
セキュリティを総合的に強化したいなら → Dashlane
VPN機能やダークウェブ監視など、パスワード管理以外のセキュリティ機能も欲しい方にはDashlane。カフェやコワーキングスペースで仕事をすることが多いフリーランスには特におすすめです。
機密ファイルも一緒に管理したいなら → Keeper
契約書、身分証明書のコピー、マイナンバーカードなど、機密性の高いファイルもまとめて暗号化保管したいならKeeper。医療や法律など規制の厳しい業界で働く方にも向いています。
よくある質問・迷いポイントQ&A
Q1. 無料プランだけで十分ですか?
A. 個人利用でデバイスをまたいで使いたいなら、Bitwardenの無料プランが最適です。ただし、以下の場合は有料プランを検討してください:
- チームでパスワードを共有したい
- 高度な二段階認証(YubiKeyなど)を使いたい
- 優先サポートが必要
- ダークウェブ監視などの追加機能が欲しい
Q2. 日本語対応しているツールはどれ?
A. 今回紹介した5つのツールはすべて日本語UIに対応しています。ただし、サポート対応は以下のとおり:
- 日本語サポートあり:1Password、LastPass、Dashlane、Keeper
- 英語のみ(コミュニティサポート):Bitwarden
Q3. 他のパスワード管理ツールから乗り換えは簡単?
A. はい、ほとんどのツールで簡単に移行できます。多くのパスワード管理ツールは、CSV形式でのエクスポート・インポート機能を備えています。手順は以下のとおり:
- 現在使っているツールからパスワードをCSVファイルでエクスポート
- 新しいツールでCSVファイルをインポート
- 移行が完了したら、古いCSVファイルは必ず削除する
1Passwordなど一部のツールは、主要なパスワード管理ツールからの直接移行機能も提供しています。
Q4. マスターパスワードを忘れたらどうなる?
A. ゼロ知識暗号化を採用しているツールでは、マスターパスワードを忘れるとすべてのデータにアクセスできなくなります。これはセキュリティの代償です。対策としては:
- マスターパスワードを紙に書いて、金庫など安全な場所に保管する
- 緊急アクセス機能(LastPassなど)を設定する
- アカウント復旧キット(1Passwordなど)を印刷して保管する
Q5. ブラウザ標準のパスワード管理機能じゃダメなの?
A. Chrome、Safari、Edgeなどのブラウザにも基本的なパスワード管理機能がありますが、専用ツールには以下の点で劣ります:
- 暗号化が弱い、またはゼロ知識暗号化ではない
- チーム共有機能がない
- ダークウェブ監視やパスワード強度分析などの高度な機能がない
- ブラウザをまたいで使えない(ChromeとSafariで別管理になる)
個人的な趣味サイトのパスワード程度ならブラウザ標準でも良いですが、ビジネス用途なら専用ツールを強く推奨します。
Q6. スマホでも使えますか?
A. はい、今回紹介したすべてのツールがiOS・Android両方に対応しています。アプリをインストールすれば、スマホのブラウザやアプリでも自動入力が可能です。生体認証(指紋認証、顔認証)にも対応しているので、マスターパスワードを毎回入力する必要もありません。
Q7. 会社のPCと個人のPCで別々に管理できる?
A. はい、ほとんどのツールで複数のアカウント(Vault)を作成・管理できます。仕事用と個人用で完全に分離したい場合は、別々のアカウントを作成すればOKです。1Passwordなどは複数アカウントの切り替えがワンクリックでできるので、特に便利です。
まとめ:結局どれを選ぶべきか
ここまで5つのパスワード管理ツールを詳しく見てきました。最後に、あなたに合ったツールを箇条書きで整理します。
- まずは無料で試したい、コスト重視の個人事業主 → Bitwarden
- 使いやすさとセキュリティ、両方妥協したくない → 1Password
- 実績のある有名サービスを使いたい初心者 → LastPass
- VPN付きで総合的にセキュリティ強化したい → Dashlane
- 機密ファイルも一緒に暗号化保管したい → Keeper
個人的には、まずBitwardenの無料プランから始めてみることをおすすめします。使ってみて「もっと高機能が欲しい」「サポートが欲しい」と思ったら、そのタイミングで有料プランや他のツールを検討すればOKです。
大切なのは、「どれが最高のツールか」ではなく、「自分の使い方に合っているか」です。どのツールも素晴らしいセキュリティと機能を提供していますが、使いこなせなければ意味がありません。
パスワードの使い回しは、今日で卒業しましょう。パスワード管理ツールを導入すれば、セキュリティが向上するだけでなく、毎日のログイン作業が驚くほど快適になります。ぜひ今日から始めてみてください。