Calendlyレビュー|日程調整ツールで何ができる?どんな人に向いているか

Calendlyレビュー|日程調整ツールで何ができる?どんな人に向いているか

「明日の14時、ご都合いかがですか?」「すみません、その時間は別の予定が…では15時はどうですか?」こんなやり取り、メールやチャットで何往復もしたことはありませんか?

打ち合わせや面談のたびに日程調整メールを送り合うのは、意外と時間がかかるものです。特にフリーランスや小規模チームで働いていると、営業商談、クライアントとの定例ミーティング、採用面接など、スケジュール調整が必要な場面は山ほどあります。

そんな「日程調整の手間」を劇的に減らしてくれるのが、Calendly(カレンドリー)です。このツールを使えば、自分の空き時間を相手に共有し、相手が好きな時間を選んでそのまま予約完了——メールのやり取りなしで日程が確定します。

結論から言うと、Calendlyはこんな人に向いています:

  • フリーランスや個人事業主で、クライアントとの打ち合わせが多い人
  • 採用担当者で、候補者との面接日程調整に時間を取られている人
  • 営業やカスタマーサクセスで、商談やオンボーディングの予約を効率化したい人
  • コーチ、コンサルタント、士業など、セッションや相談の予約を受け付けたい人

この記事では、Calendlyの基本機能から実際に使ってみた感想、料金プラン、類似ツールとの比較まで、3分で「自分に合うかどうか」を判断できるようにまとめました。

Calendlyの概要と基本情報

Calendlyは、アメリカ発のスケジュール調整ツールで、世界中で1,000万人以上が利用しています。日本ではまだそこまで知名度は高くありませんが、海外のビジネスシーンでは非常にポピュラーなツールです。

どんなカテゴリのツールか

Calendlyは「日程調整・予約管理ツール」に分類されます。カレンダー連携を活用して、自分の空き時間を相手に共有し、相手が都合の良い時間を選んで予約できる仕組みです。

代表的なユースケース

  • 営業商談の日程調整:見込み客に自分の予約ページURLを送り、相手が都合の良い時間を選択
  • 採用面接のスケジューリング:候補者に面接の予約リンクを送り、複数の面接官のカレンダーと連携
  • 1on1ミーティング:チームメンバーやクライアントとの定期ミーティングを予約形式で管理
  • コンサルティングセッション:コーチやコンサルタントが、クライアントからの相談予約を受け付ける
  • カスタマーサポート:サポートチームが顧客との通話予約を効率的に管理

料金・対応言語・提供形態

料金プラン(2025年1月時点)

プラン 月額料金(年払い) 月額料金(月払い) 主な機能
Free 無料 無料 1種類のイベントタイプ、基本的なカレンダー連携
Standard $12/月(約1,800円) $15/月(約2,200円) 無制限のイベントタイプ、リマインダー、カスタマイズ
Teams $20/月/ユーザー(約3,000円) $25/月/ユーザー(約3,700円) チームページ、ラウンドロビン、Salesforce連携
Enterprise 要問い合わせ 要問い合わせ 高度なセキュリティ、専任サポート、カスタム統合

対応言語:英語がメインですが、予約ページは一部日本語化可能。ただし管理画面は基本的に英語です。

提供形態:Webブラウザ(Chrome、Safari、Firefoxなど)、iOS/Androidアプリ、Chrome拡張機能

カレンダー連携:Google Calendar、Outlook Calendar、Office 365、iCloudと連携可能。既存のカレンダーと同期することで、ダブルブッキングを防ぎます。

主な機能とできること

Calendlyには、日程調整を効率化するための多彩な機能が揃っています。ここでは代表的な機能を、実務での使い方とともに紹介します。

1. イベントタイプの作成

「30分の商談」「60分のコンサルティング」「15分のクイックコール」など、目的ごとに異なる予約枠を作成できます。それぞれに時間の長さ、場所(オンライン/対面)、事前質問などを設定可能です。

実務での使い方:営業担当なら「初回ヒアリング(30分)」「デモンストレーション(45分)」「フォローアップ(15分)」など、商談フェーズごとにイベントを分けておくと、相手に合わせてURLを使い分けられます。

2. カレンダー連携とダブルブッキング防止

Google CalendarやOutlookと連携すると、既に予定が入っている時間帯は自動的に予約不可になります。複数のカレンダーを同時にチェックすることも可能です。

実務での使い方:プライベートのカレンダーと仕事用のカレンダーを両方連携しておけば、家族の予定も考慮した上で予約枠を提示できます。

3. 予約リンクの共有

各イベントタイプには専用のURLが発行されます。このリンクをメールやSlack、ウェブサイトに貼り付けるだけで、相手が直接予約できます。

実務での使い方:営業メールに「こちらから都合の良い時間をお選びください:[Calendlyリンク]」と書いておけば、相手は自分の都合に合わせて予約でき、やり取りの回数が激減します。

4. 自動リマインダーとフォローアップメール

予約が確定すると、自動的に確認メールが送信されます。さらに、ミーティングの前日や1時間前にリマインダーメールを送ることもできます(有料プラン)。

実務での使い方:面接や商談のドタキャンを防ぐために、前日と1時間前にリマインダーを設定しておくと、参加率が向上します。

5. Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsとの連携

予約時に自動的にビデオ会議のURLを生成し、招待メールに記載してくれます。手動でZoomリンクを作成する手間が省けます。

実務での使い方:リモート面接やオンライン商談の場合、予約と同時にZoomリンクが発行されるため、当日になって「会議リンクどこだっけ?」という事態を防げます。

6. ラウンドロビン機能(チーム向け)

複数のメンバーのカレンダーを統合し、予約が入ると自動的に最も空いているメンバーにアサインされます(Teamsプラン以上)。

実務での使い方:カスタマーサポートチームで「サポート通話予約」を作成し、3人のサポート担当者を登録しておけば、予約が均等に振り分けられます。

7. Zapier、Salesforce、HubSpotなどとの連携

Calendlyで予約が入ると、自動的にCRMに情報を登録したり、Slackに通知を送ったりできます。

実務での使い方:Zapierで「Calendlyで商談予約が入ったら、Salesforceにリードを作成し、Slackの営業チャンネルに通知」という自動化を組むと、予約から営業フォローまでの流れがスムーズになります。

実際に触ってわかったメリット

ここからは、実際にCalendlyを使ってみて感じた具体的なメリットを紹介します。

1. 日程調整のメールが劇的に減る

これがCalendlyの最大のメリットです。従来なら「◯日はいかがですか?」「その日は埋まっています」「では◯日は?」と3〜5往復していたメールが、1通で完結します。

どんな人にとってメリットか:営業やフリーランスで、毎週何件も商談や打ち合わせの日程調整をしている人。時間の節約効果は計り知れません。

2. 相手の時間を尊重できる

「こちらの都合で候補日を3つ提示する」のではなく、相手が自分の都合に合わせて選べるのがポイントです。相手にとっても、自分のカレンダーを見ながら都合の良い時間を選べるので、ストレスが少なくなります。

どんな人にとってメリットか:採用担当者や、クライアントとの関係を大切にしたい人。相手に「選ぶ権利」を渡すことで、良好な関係が築けます。

3. タイムゾーンの自動調整

海外のクライアントや候補者とやり取りする場合、Calendlyは相手のタイムゾーンを自動検出し、現地時間で予約枠を表示してくれます。「日本時間で10時は、アメリカ西海岸だと…」と計算する必要がありません。

どんな人にとってメリットか:グローバルに仕事をしているフリーランスや、海外拠点のあるチーム。時差の計算ミスによるトラブルが激減します。

4. ダブルブッキングの心配がゼロ

カレンダーと連携しているため、既に予定が入っている時間帯は予約枠として表示されません。手動でスケジュールを確認する手間が省けます。

どんな人にとってメリットか:複数のプロジェクトを掛け持ちしていて、スケジュール管理が大変な人。カレンダーを一元管理できていれば、Calendlyが自動的に空き時間だけを提示してくれます。

5. 予約ページのカスタマイズが簡単

自分のブランドカラーやロゴを予約ページに設定できます。また、事前に相手に質問したい内容(例:「今回の相談内容を教えてください」)をフォームに追加できます。

どんな人にとってメリットか:コーチ、コンサルタント、士業など、自分のブランドを大切にしたい人。予約ページもプロフェッショナルな印象を与えられます。

気になった点・注意しておきたいポイント

Calendlyは非常に便利なツールですが、使う上でいくつか注意しておきたい点もあります。

1. 日本語対応が不完全

予約ページは一部日本語化できますが、管理画面やヘルプドキュメントは基本的に英語です。英語に抵抗がある人にとっては、最初のセットアップで少し戸惑うかもしれません。

対策:日本語での日程調整ツールを探している場合は、後述する国産ツール(waaq LinkやTimeRexなど)を検討するのも一つの手です。

2. 無料プランは1種類のイベントタイプのみ

無料プランでは、作成できるイベントタイプが1つに制限されています。「30分の商談」と「60分のコンサル」を使い分けたい場合は、有料プランへのアップグレードが必要です。

こういう人には合わないかも:複数の予約タイプを使い分けたいけど、まだ有料プランに投資するほどではない、という人。まずは無料で試してみて、必要性を感じたら有料化するのが良いでしょう。

3. 相手がツールに慣れていない場合の説明が必要

日本ではまだCalendlyの認知度が低いため、「このリンクから予約してください」と送っても、相手が使い方に戸惑うことがあります。初めて送る相手には、簡単な説明を添えると親切です。

対策:「こちらのリンクから、ご都合の良い日時を選んでいただけると、そのまま予約が確定します」といった一文を添えておくと、スムーズです。

4. ビデオ会議機能は内蔵されていない

Calendlyはあくまで「日程調整」のツールであり、ビデオ会議機能そのものは提供していません。Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど、別途ビデオ会議ツールとの連携が必要です。

こういう人には合わないかも:「予約から会議まで全部一つのツールで完結させたい」という人。ただし、Zoom連携は非常にスムーズなので、実務上は大きな問題にはなりません。

5. チーム機能は有料プラン必須

複数人でカレンダーを共有したり、ラウンドロビン機能を使ったりするには、Teamsプラン(月額約3,000円/ユーザー)以上が必要です。小規模チームでも、人数分のライセンスが必要になるため、コストがかさみます。

こういう人には合わないかも:5人以上のチームで使いたいけど、予算が限られている場合。チーム全員で月額15,000円〜となるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

類似ツールとの比較

日程調整ツールは、Calendly以外にもいくつかの選択肢があります。ここでは代表的な類似ツールと、それぞれの違いを比較します。

1. Calendly vs. Microsoft Bookings

Microsoft Bookingsは、Microsoft 365に含まれる予約管理ツールです。

主な違い

  • 料金:Microsoft 365のビジネスプランに含まれているため、追加コストなしで使える
  • 機能:Calendlyほどカスタマイズ性は高くないが、基本的な予約管理には十分
  • 連携:Microsoft TeamsやOutlookとの連携は非常にスムーズ

どちらを選ぶべきか

  • Microsoft 365をすでに使っている企業チーム → Microsoft Bookingsが追加コストなしで使えるのでおすすめ
  • フリーランスや、Google Workspaceを使っているチーム → Calendlyの方がカスタマイズ性が高く、Google Calendarとの連携も優秀

2. Calendly vs. Acuity Scheduling

Acuity Schedulingは、Squarespaceが提供する予約管理ツールです。

主な違い

  • 料金:月額$16〜で、Calendlyとほぼ同価格帯
  • 機能:決済機能(クレジットカード決済)が標準搭載されている
  • 対象ユーザー:サロン、ヨガスタジオ、クリニックなど、有料の予約を受け付けるビジネス向け

どちらを選ぶべきか

  • 有料セッションやサービスの予約を受け付けたい人 → Acuity Schedulingの決済機能が便利
  • B2B営業や採用面接など、無料の予約がメイン → Calendlyの方がシンプルで使いやすい

3. Calendly vs. 国産ツール(waaq Link、TimeRex、調整アポなど)

日本国内には、日本語に完全対応した日程調整ツールもいくつかあります。

主な違い

  • 日本語対応:管理画面からサポートまで完全に日本語
  • 日本の商習慣に合った機能:「候補日提示型」の調整にも対応しているツールが多い
  • 料金:無料プランが充実しているツールもある

どちらを選ぶべきか

  • 英語に抵抗がない、海外とのやり取りが多い人 → Calendlyのタイムゾーン対応が優秀
  • 英語が苦手、日本国内での利用がメイン → 国産ツールの方が安心して使える

Calendlyがハマる具体的なワークフロー例

ここでは、Calendlyを実際のビジネスシーンでどう活用できるか、2つの具体例を紹介します。

ワークフロー例1:フリーランスデザイナーのクライアント商談

Before(Calendly導入前)

  1. クライアントから「一度お話ししたいです」とメールが来る
  2. こちらから候補日を3つ提示する
  3. クライアントから「その日は埋まっています」と返信が来る
  4. 再度候補日を提示し、ようやく日程が確定
  5. 当日、Zoomリンクを作成して送信

After(Calendly導入後)

  1. クライアントから「一度お話ししたいです」とメールが来る
  2. こちらから「こちらのリンクから都合の良い時間を選んでください:[Calendlyリンク]」と返信
  3. クライアントがリンクをクリックし、空いている時間から予約
  4. 予約と同時にZoomリンクが自動生成され、双方に送信される
  5. 前日に自動リマインダーメールが送られ、当日スムーズにミーティング開始

効果:メールのやり取りが5往復→1往復に削減。Zoomリンク作成の手間もゼロ。

ワークフロー例2:スタートアップの採用面接

Before(Calendly導入前)

  1. 候補者に面接の候補日を3つ提示
  2. 候補者から「◯日でお願いします」と返信
  3. 面接官のカレンダーを確認し、会議室を予約
  4. Google Meetのリンクを手動で作成し、候補者に送信
  5. 前日に「明日の面接よろしくお願いします」とリマインドメールを送信

After(Calendly導入後)

  1. 候補者に「一次面接予約リンク」を送信(面接官3人のカレンダーをラウンドロビンで統合)
  2. 候補者がリンクから都合の良い時間を選択
  3. 予約と同時に、最も空いている面接官にアサインされ、Google Meetリンクが自動生成
  4. 前日と1時間前に自動リマインダーが送信される
  5. 面接後、ZapierでSlackに「面接完了」の通知が飛び、次のステップに進む

効果:採用担当者の日程調整業務が90%削減。候補者体験も向上し、ドタキャン率が減少。

まとめ:どんな人がCalendlyを選ぶべきか

最後に、Calendlyが向いている人・向いていない人を整理します。

Calendlyがおすすめな人

  • 日程調整のメールが週に5件以上ある人:時間節約の効果が大きい
  • フリーランスや個人事業主:クライアントとの商談予約を効率化したい
  • 営業担当者:見込み客との商談予約をスムーズにしたい
  • 採用担当者:候補者との面接日程調整を自動化したい
  • コーチ、コンサルタント、士業:セッションや相談の予約を受け付けたい
  • 海外とのやり取りが多い人:タイムゾーン自動調整が便利
  • 既にZapierやSalesforceを使っている人:自動化の幅が広がる

Calendlyがおすすめしない人

  • 日程調整が月に1〜2回しかない人:ツールを導入するほどのメリットがない
  • 英語が苦手で、日本語サポートが必須の人:国産ツールの方が安心
  • 「候補日を複数提示して、相手に選んでもらう」スタイルが好きな人:Calendlyは「相手が自由に選ぶ」形式なので、少しカジュアルに感じることも
  • 有料セッションの予約と決済を一元管理したい人:Acuity Schedulingなど、決済機能がある他ツールの方が便利
  • 予算が限られているチーム:チーム機能は有料プラン必須なので、コスト面で検討が必要

まずは無料プランで試してみよう

Calendlyは無料プランでも基本機能が使えるので、まずは実際に触ってみるのがおすすめです。1つのイベントタイプしか作れませんが、「30分の商談」や「初回相談」など、最もよく使う予約タイプを1つ作って試してみると、自分の業務に合うかどうかがすぐにわかります。

使ってみて「もっと複数のイベントタイプを使い分けたい」「リマインダー機能が欲しい」と感じたら、有料プラン(月額約1,800円〜)にアップグレードすれば良いでしょう。

もしあなたが「日程調整のメールに毎週1時間以上使っている」なら、Calendlyはその時間を劇的に短縮してくれるはずです。

NeuroStackでは、他にもワークフロー自動化やAIツールのレビューを多数公開しています。Calendlyと組み合わせて使うことで、さらに業務を効率化できるツールも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。