顧客対応に追われて、本来の仕事に集中できていないあなたへ
「メールやチャットでの問い合わせ対応に時間を取られすぎている」「顧客情報が散らばっていて、誰がどんな状況なのかわからない」「サポートチームの負担を減らしたいけど、どうすればいいかわからない」——そんな悩み、ありませんか?
個人事業主から小さなチームを抱える企業まで、顧客対応は避けて通れない課題です。でも、メールや電話だけでは限界がありますし、複数のツールを使い分けるのも煩雑ですよね。
そんな中で注目されているのが、Intercom(インターコム)です。Intercomは、カスタマーサポート、マーケティング、営業までを一つのプラットフォームで統合できるメッセージングツール。リアルタイムのチャット対応からメール、プロアクティブなメッセージ配信まで、顧客とのコミュニケーション全体を効率化できます。
この記事では、「Intercomって実際どんなことができるの?」「自分のビジネスに合うのか?」という疑問に答えるため、機能や料金、メリット・デメリット、類似ツールとの比較まで、実務目線でわかりやすく解説します。
Intercomの概要と基本情報
Intercomとは?
Intercomは、カスタマーコミュニケーションプラットフォームとして2011年に誕生し、現在では世界中の25,000社以上に導入されています。特にSaaS企業やスタートアップに人気で、Webサイトやアプリ内にチャットウィジェットを設置し、顧客とリアルタイムでやり取りできるのが最大の特徴です。
単なるチャットツールではなく、顧客の行動データを収集・分析し、適切なタイミングで適切なメッセージを送る「攻めのサポート」を実現できます。
主なカテゴリと用途
Intercomは以下のような用途で活用されています:
- カスタマーサポート:チャット、メール、ヘルプセンターを統合した問い合わせ対応
- カスタマーエンゲージメント:顧客の行動に応じた自動メッセージ配信
- セールス支援:見込み客とのチャット対応、リード管理
- プロダクトツアー:新規ユーザーへのオンボーディング支援
- 顧客データ管理:一元化された顧客情報の蓄積と活用
料金プラン(2025年1月時点)
Intercomの料金体系は、機能や利用シート数に応じて複数のプランが用意されています:
| プラン名 | 月額料金(年間契約時) | 主な対象 |
|---|---|---|
| Essential | $29/シート〜 | 個人・スタートアップ・中小企業向けの基本サポート機能 |
| Advanced | $85/シート〜 | 成長中のチーム向け。自動化とAI機能が充実 |
| Expert | $132/シート〜 | 大規模チーム向け。高度なカスタマイズと分析機能 |
| カスタム | 要問い合わせ | エンタープライズ向けのフルカスタマイズプラン |
※料金はドル表記で、日本円換算すると1シートあたり月額4,000円〜20,000円程度が目安です。
※14日間の無料トライアルが利用可能です。
対応環境
- Web:ブラウザベースの管理画面
- デスクトップアプリ:macOS、Windows対応
- モバイルアプリ:iOS、Android対応(外出先でも顧客対応が可能)
- 言語対応:日本語を含む多言語対応(ただし一部機能は英語のみ)
Intercomの主な機能とできること
Intercomには多彩な機能が搭載されています。ここでは、実務でよく使われる代表的な機能を紹介します。
1. メッセンジャー(チャットウィジェット)
WebサイトやアプリにIntercomのチャットウィジェットを設置すると、訪問者や既存ユーザーとリアルタイムでやり取りできます。
実務での使い方:
ECサイトで「商品について質問がある」というユーザーに、チャットですぐに回答して購入をサポート。離脱を防ぎ、コンバージョン率アップにつながります。
2. 受信トレイ(Inbox)
チャット、メール、SNSなど、複数チャネルからの問い合わせを一つの受信トレイで管理できます。チーム内で担当を振り分けたり、ステータスを管理したりも簡単。
実務での使い方:
サポートチーム3名で運営している場合、問い合わせを自動で担当者に振り分け。誰がどの案件を対応しているかが一目瞭然で、対応漏れを防げます。
3. チャットボット・自動応答(Fin AI)
AI搭載のチャットボット「Fin」が、よくある質問に自動で回答。ヘルプセンターの記事を学習して、適切な回答を提示してくれます。
実務での使い方:
「パスワードを忘れた」「配送状況を知りたい」といった定型的な質問には、Finが24時間自動対応。人的リソースを削減しながら、顧客満足度を維持できます。
4. プロアクティブメッセージ(Outbound Messages)
顧客の行動(サイト訪問、特定ページ閲覧、カート放棄など)をトリガーに、自動でメッセージやメールを配信できます。
実務での使い方:
カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに、「お困りですか?」とチャットで声をかけたり、購入を後押しするクーポンを送ったりして、売上アップを狙えます。
5. ヘルプセンター(Articles)
FAQ、マニュアル、チュートリアルなどを掲載できるナレッジベースを作成可能。顧客が自己解決できる環境を整えられます。
実務での使い方:
よくある質問をヘルプセンターにまとめておけば、サポート担当への問い合わせが減り、顧客も自分のペースで情報を得られて満足度が上がります。
6. 顧客データ管理(Contacts & Segments)
顧客の属性、行動履歴、過去のやり取りなどを一元管理。セグメント分けして、ターゲットを絞ったメッセージ配信も可能です。
実務での使い方:
「30日間アクティブでないユーザー」だけに「最近どうですか?」とリエンゲージメントメッセージを送り、離脱を防ぐことができます。
7. 統合・連携機能
Slack、Salesforce、HubSpot、Zapier、Stripeなど、2,000以上の外部ツールと連携可能。顧客データやタスクをシームレスに同期できます。
実務での使い方:
Slackと連携して、Intercomに新しい問い合わせが来たら即座にチーム全員に通知。対応スピードが格段に上がります。
実際に触ってわかったメリット
1. 顧客対応がワンストップで完結する
メール、チャット、ヘルプセンター、顧客データ管理まで、すべてがIntercom一つで完結します。これまで複数のツールを行ったり来たりしていた手間が省け、作業効率が大幅にアップします。
どんな人にメリットか:
複数のサポートチャネルを運営している企業や、ツールの切り替えにストレスを感じている担当者。
2. リアルタイム対応で顧客満足度が向上
メールだと返信に時間がかかりますが、Intercomのチャットなら即座にやり取りできます。顧客が困っているタイミングで適切なサポートを提供できるため、満足度やロイヤルティが高まります。
どんな人にメリットか:
レスポンスの速さを重視するSaaS企業、ECサイト、オンラインサービス提供者。
3. AIと自動化でサポート工数を削減できる
Fin AIによる自動応答や、プロアクティブメッセージの自動配信により、定型業務の多くを自動化できます。少人数のチームでも、大量の問い合わせに対応可能になります。
どんな人にメリットか:
サポートチームのリソースが限られている中小企業、スタートアップ。
4. 顧客の行動データを活用した「攻めのサポート」が実現
単に問い合わせを待つのではなく、顧客の行動(ページ閲覧、機能利用状況など)に基づいて先回りしたサポートやマーケティングができます。これにより、顧客エンゲージメントやコンバージョン率の向上が期待できます。
どんな人にメリットか:
カスタマーサクセスに力を入れたいSaaS企業、ユーザーのオンボーディング改善を目指すプロダクトチーム。
5. モバイルアプリで外出先からも対応可能
Intercomのモバイルアプリを使えば、移動中や外出先でも顧客対応ができます。緊急の問い合わせにも素早く対応できるため、顧客を待たせません。
どんな人にメリットか:
常にデスクにいるわけではないフリーランス、リモートワーク中心のチーム。
気になった点・注意しておきたいポイント
1. 料金が高めで、コストが予想以上に膨らむことも
Intercomは機能が豊富な分、料金も高めです。特に、シート数(ユーザー数)が増えると月額費用がどんどん上がります。また、メッセージ送信数やAI利用回数に応じた追加料金が発生するケースもあり、最終的な請求額が想定を超えることがあります。
こんな人には合わないかも:
予算が限られている個人事業主や、まだ顧客数が少ないスタートアップ。まずは無料トライアルで実際のコストを試算してみることをおすすめします。
2. 学習コストがやや高い
Intercomは多機能であるがゆえに、初めて使う人にとっては「どこから手をつければいいか分からない」と感じることも。設定項目が多く、最適な運用体制を構築するまでに時間がかかる場合があります。
こんな人には合わないかも:
「すぐに使い始めたい」「シンプルなツールが好み」という人。導入時はサポートドキュメントやチュートリアルをしっかり読む必要があります。
3. 日本語対応が完全ではない
管理画面やヘルプドキュメントは日本語に対応していますが、一部の高度な機能やサポート対応は英語のみの場合があります。また、日本国内での事例やコミュニティがまだ少なく、情報収集にやや苦労するかもしれません。
こんな人には合わないかも:
英語に抵抗がある、完全日本語対応のツールを求めている企業。
4. 小規模チームには機能が過剰な場合も
Intercomは中〜大規模なサポートチームやマーケティングチームを想定した設計になっています。そのため、個人事業主や2〜3名の小さなチームでは、使わない機能が多く「宝の持ち腐れ」になるリスクがあります。
こんな人には合わないかも:
シンプルなチャットツールだけで十分な小規模ビジネス。より軽量なツール(CrispやTidioなど)を検討するのも一案です。
類似ツールとの比較
Intercomと競合する主なツールとして、Zendesk、HubSpot、Crispがあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
Intercom vs Zendesk
Zendeskは、カスタマーサポートに特化した老舗ツールです。
- Zendeskの強み:チケット管理システムが非常に強力。メール、電話、SNSなど多チャネルのサポートに対応し、大規模なサポートチームでの運用に適しています。
- Intercomの強み:リアルタイムチャットと顧客エンゲージメントに優れ、プロアクティブなメッセージ配信やマーケティング機能が充実。「攻めのサポート」を重視するならIntercom。
どちらを選ぶべきか:
- Zendeskが向いている人:大量のサポートチケットを効率的に管理したい、電話サポートも統合したい企業。
- Intercomが向いている人:チャット中心でリアルタイム対応を重視、カスタマーサクセスやマーケティングにも活用したい企業。
Intercom vs HubSpot
HubSpotは、CRM・マーケティング・セールス・サービスを統合したオールインワンプラットフォームです(NeuroStackでもレビュー記事があります)。
- HubSpotの強み:CRM機能が無料で使え、マーケティングオートメーション、営業支援、サポート機能がすべて連携。総合的な顧客管理を一つのプラットフォームで完結できます。
- Intercomの強み:メッセージングとチャットに特化しており、リアルタイムコミュニケーションの使い勝手が良い。プロダクト内メッセージングやオンボーディングにも強い。
どちらを選ぶべきか:
- HubSpotが向いている人:マーケティング、営業、サポートをすべて一つのツールで管理したい。CRMを中心に据えた運用をしたい企業。
- Intercomが向いている人:カスタマーサポートとエンゲージメントに特化し、リアルタイムチャットとプロアクティブメッセージを重視する企業。
Intercom vs Crisp
Crispは、手頃な価格で使えるカスタマーメッセージングツールです。
- Crispの強み:無料プランでも基本的なチャット機能が使え、料金が非常にリーズナブル(月額$25〜)。小規模チームやスタートアップに最適。
- Intercomの強み:高度な自動化、AI機能、顧客セグメント、詳細な分析など、エンタープライズレベルの機能が充実。
どちらを選ぶべきか:
- Crispが向いている人:予算を抑えつつ、基本的なチャットサポートを導入したい個人事業主や小規模チーム。
- Intercomが向いている人:予算に余裕があり、高度な自動化やデータ分析、マーケティング機能まで活用したい成長企業。
Intercomがハマる具体的なワークフロー例
ワークフロー例1:SaaSプロダクトの新規ユーザーオンボーディング
シーン:新しくサインアップしたユーザーが、プロダクトの使い方に戸惑っている。
- ユーザーがサインアップ:Intercomがユーザー情報を自動で取得し、顧客データベースに登録。
- ウェルカムメッセージ自動送信:サインアップ直後に、「ようこそ!まずはこちらのチュートリアルをご覧ください」とプロアクティブメッセージを送信。
- プロダクトツアー表示:アプリ内で主要機能を紹介するポップアップを段階的に表示し、使い方をガイド。
- つまずきポイントで自動サポート:特定の画面で5分以上滞在しているユーザーに「お困りですか?」とチャットで声をかけ、サポート記事を提示。
- フォローアップメール:3日後に「使ってみていかがですか?」とメールを自動送信し、フィードバックを収集。
効果:オンボーディングの完了率が向上し、初期離脱を大幅に減らせます。
ワークフロー例2:ECサイトでのカート放棄対策
シーン:商品をカートに入れたまま、購入せずにサイトを離れてしまうユーザーが多い。
- カート追加を検知:Intercomが、ユーザーが商品をカートに追加したことをトリガーとして認識。
- 離脱時にチャットで声かけ:ユーザーがサイトを離れようとしたタイミングで「何かお手伝いできることはありますか?」とチャットウィジェットが自動表示。
- 質問に即座に回答:サポート担当者またはチャットボットが、配送や返品に関する質問にリアルタイムで回答。
- クーポン自動送信:一定時間経過後、「今なら10%オフクーポン!」とメールやプッシュ通知を自動送信し、購入を後押し。
- 購入完了後のフォローアップ:購入後、「ありがとうございました!商品レビューをお願いします」とメッセージを送信。
効果:カート放棄率が下がり、コンバージョン率と売上が向上します。
まとめ:どんな人がIntercomを選ぶべきか
Intercomがおすすめな人
- リアルタイムチャットで顧客満足度を高めたいSaaS企業、ECサイト、オンラインサービス
- カスタマーサポートだけでなく、マーケティングやセールスにも活用したい成長企業
- 顧客の行動データを活用した「攻めのサポート」を実現したいカスタマーサクセスチーム
- 少人数でも大量の問い合わせに対応したいスタートアップやリソースの限られたチーム
- ツールを統合してワンストップで顧客対応を完結させたい効率重視の企業
- 新規ユーザーのオンボーディングを自動化・最適化したいプロダクトチーム
Intercomがおすすめしない人
- 予算が限られており、月額数万円のコストが負担になる個人事業主や小規模ビジネス(CrispやTidioなど、より低価格なツールを検討してみてください)
- シンプルで使いやすいツールを求めている初心者(学習コストが高めなため、まずは無料トライアルで試すことをおすすめします)
- 完全日本語対応のツールを求めている企業(一部英語対応が必要なケースがあります)
- メールやチケット管理中心のサポート運用をしたい企業(Zendeskの方が適している場合があります)
- 顧客数がまだ少なく、チャット対応の需要がほとんどないビジネス(導入メリットを実感しにくいかもしれません)
最後に
Intercomは、カスタマーサポートの枠を超えて、顧客との関係構築全体を支援してくれる強力なツールです。リアルタイムチャット、AI自動応答、プロアクティブメッセージ、顧客データ活用など、「顧客とのコミュニケーションを最適化したい」という企業にとっては、非常に頼もしいパートナーになるでしょう。
ただし、料金や学習コストの面で、すべての企業に向いているわけではありません。まずは14日間の無料トライアルを活用して、自分たちのビジネスにフィットするかどうか、実際に試してみることをおすすめします。
「顧客対応の効率を上げたい」「サポート品質を向上させたい」「攻めのカスタマーサクセスを実現したい」——そんな想いを持っている方は、ぜひIntercomを候補に入れてみてください。
NeuroStackでは、他にも多くのツールレビューを公開しています。ツール選びに迷ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。