Loomレビュー|画面録画・動画コミュニケーションで何ができる?どんな人に向いているか

Loomレビュー|画面録画・動画コミュニケーションで何ができる?どんな人に向いているか

「テキストで説明するのが難しい」「長文のメールを書くのが面倒」「リモートメンバーに操作手順をわかりやすく伝えたい」——こんな悩み、ありませんか?

リモートワークが当たり前になった今、コミュニケーションの方法も変わってきました。テキストだけでは伝わりにくいニュアンスや、複雑な操作手順を説明するのに、画面録画と音声を組み合わせた「動画メッセージ」が注目されています。

そんな中、世界中で2,500万人以上が使っている画面録画・動画コミュニケーションツールがLoom(ルーム)です。ワンクリックで画面録画を開始し、URLを共有するだけで相手に伝えられる——そのシンプルさと実用性が、個人事業主から企業チームまで幅広く支持されています。

この記事では、Loomの機能や料金プラン、メリット・デメリット、そして「どんな人に向いているか」を詳しく解説します。テキストコミュニケーションに限界を感じている方、もっと効率的に情報を伝えたい方は、ぜひ参考にしてください。

Loomの概要と基本情報

Loomは、画面録画と音声・カメラ映像を組み合わせた「動画メッセージ」を簡単に作成・共有できるクラウドツールです。2016年にサンフランシスコで創業され、2023年10月にはAtlassian社に買収されました。現在では、個人からエンタープライズ企業まで、世界中で利用されています。

Loomはどんなカテゴリのツールか

  • 画面録画ツール:デスクトップ画面、特定のウィンドウ、ブラウザタブを録画
  • 動画コミュニケーションツール:録画した動画をURLで即座に共有
  • 非同期コミュニケーション支援:会議を減らし、時間を問わず情報を伝達

Zoomなどのビデオ会議ツールとは異なり、Loomは「リアルタイムではなく、録画して共有する」スタイルです。相手の時間を奪わず、自分のタイミングで伝えたいことを録画し、相手も都合の良い時間に視聴できます。

代表的なユースケース

  • 操作手順の説明:ソフトウェアの使い方、デザインツールの操作方法
  • バグ報告・フィードバック:画面を見せながら問題点を説明
  • プレゼンテーション・資料説明:スライドを見せながら音声で補足
  • チーム内の業務引き継ぎ:作業手順を動画マニュアル化
  • 営業・カスタマーサポート:製品デモ、使い方ガイドの提供
  • 教育・研修:講義動画、オンライン授業のコンテンツ作成

料金プラン

Loomは無料プランから始められ、必要に応じて有料プランにアップグレードできます。(2025年1月時点の情報)

プラン 月額料金(年払い) 月額料金(月払い) 主な特徴
Starter(無料) $0 $0 最大25本の動画、5分まで録画可能
Business $12.50/ユーザー $15/ユーザー 無制限の動画、カスタムブランディング、高度な編集機能
Business + AI $20/ユーザー $20/ユーザー AI自動タイトル・要約・チャプター生成、フィラーワード削除
Enterprise 要問い合わせ 要問い合わせ SSO、高度なセキュリティ、専任サポート

※日本円換算で、Businessプランは約1,500〜2,000円/月、Business + AIプランは約2,500〜3,000円/月程度です。

教育者向け特別プランも提供されており、資格のある教育関係者は無料で無制限の録画とプレミアム機能を利用できます。

対応言語・提供形態

  • 対応言語:英語、日本語を含む多言語対応(インターフェース・字幕生成)
  • 提供形態
    • Webブラウザ(Chrome拡張機能が人気)
    • デスクトップアプリ(Windows / macOS)
    • モバイルアプリ(iOS / Android)

特にChrome拡張機能を使えば、ブラウザから直接録画を開始でき、非常にスムーズです。

Loomの主な機能とできること

Loomは、ただの画面録画ツールではありません。動画の編集、共有、分析まで、幅広い機能を備えています。

1. 画面録画オプション

  • 画面全体の録画:デスクトップ全体をキャプチャ
  • 特定のウィンドウ・タブ:アプリケーションやブラウザタブだけを録画
  • カメラのみ:自分の顔だけを録画(プレゼンテーション向け)
  • 画面+カメラ(ワイプ):画面録画と同時に、自分の顔を小窓で表示

実務での使い方:例えば、デザインツールの操作を説明するときは「画面+カメラ」モードで、自分の顔を見せながら「ここをこうクリックして…」と説明すると、親しみやすくなります。

2. 簡単な動画編集機能

  • トリミング:不要な部分をカット
  • フィラーワード削除:「えー」「あのー」などの間を自動削除(AI機能)
  • ハイパーリンク挿入:動画内に外部リンクを追加
  • カスタムサムネイル:動画の表紙を設定
  • 描画ツール:録画中に画面に線や図形を描いて強調

実務での使い方:クライアントへのデモ動画で、冗長な部分をトリミングし、プロフェッショナルな仕上がりにできます。

3. AI機能(Business + AIプラン)

2024年以降、LoomはAI機能を大幅に強化しました。

  • 自動タイトル生成:動画内容から適切なタイトルを提案
  • 自動要約:長い動画の要点を箇条書きで生成
  • チャプター生成:動画を自動的にセクションに分割
  • トランスクリプト(文字起こし):音声を自動的にテキスト化
  • アクションアイテム抽出:動画内で言及されたタスクをリスト化

実務での使い方:長めの説明動画を共有する際、AI要約を付けることで、視聴者が「見るべきかどうか」を素早く判断できます。

4. URLで即座に共有

  • 録画が終わると、自動的にクラウドにアップロードされ、共有用URLが発行される
  • URLをSlack、メール、Notion、Trelloなどに貼り付けるだけで共有完了
  • ダウンロード不要で、ブラウザから直接視聴可能

実務での使い方:チームメンバーに「この作業手順を見てください」とSlackでURLを送るだけ。ファイルのアップロード・ダウンロードの手間がゼロです。

5. 視聴分析機能

  • 誰が見たか:視聴者のリストを確認
  • どこまで見たか:視聴率や離脱ポイントを分析
  • コメント・絵文字リアクション:視聴者が動画内の特定のタイミングでコメントを残せる

実務での使い方:営業チームが製品デモ動画をクライアントに送った際、「見たかどうか」「どこで興味を失ったか」を把握し、フォローアップに活かせます。

6. 統合機能

Loomは、多くのツールと連携できます。

  • Slack、Microsoft Teams:チャット内で動画をプレビュー表示
  • Notion、Asana、Trello:ドキュメントやタスクに動画を埋め込み
  • Gmail、Outlook:メール内に動画を埋め込み
  • Salesforce、HubSpot:CRMに動画を記録

実際に触ってわかったメリット

1. 圧倒的に説明が楽になる——テキストの5倍速い

「この機能、テキストで説明すると10行くらいになるけど、画面を見せながら30秒で済む」——これがLoomの最大の魅力です。

例えば、ウェブサイトの管理画面で「この項目を変更してください」と説明する場合、テキストだと「まず左メニューの『設定』をクリックして、『一般設定』を選び、『タイトル』欄に…」と書く必要があります。でもLoomなら、画面を録画しながら「ここをクリックして、ここに入力します」と口頭で説明するだけ。相手も迷いません。

どんな人にメリットか

  • フリーランスのデザイナー・エンジニア(クライアントへの納品物の説明)
  • カスタマーサポート担当者(操作手順の案内)
  • チームリーダー(メンバーへの業務指示)

2. 会議を減らせる——非同期コミュニケーションの威力

「ちょっと説明したいことがあるから、Zoom会議しよう」——こんなやり取り、多くありませんか?でも実際には、5分で済む説明のために30分の会議枠を取ることになり、お互いの時間を奪ってしまいます。

Loomなら、自分のタイミングで録画して共有し、相手も都合の良い時間に視聴できます。しかも、1.5倍速再生で効率的に見ることも可能です。

どんな人にメリットか

  • リモートチームで働く人(時差がある場合も対応しやすい)
  • 会議が多すぎて困っている人
  • 自分のペースで情報を伝えたい人

3. 操作が簡単で、誰でもすぐ使える

Loomの最大の強みは、使い始めるハードルの低さです。Chrome拡張機能をインストールしたら、ブラウザの右上にアイコンが表示されます。それをクリックして「画面+カメラ」「画面のみ」を選び、録画開始ボタンを押すだけ。

動画編集ソフトのような複雑な設定は不要で、初めて使う人でも5分で録画→共有まで完了します。

どんな人にメリットか

  • 動画編集の経験がない人
  • 「ツールの学習に時間をかけたくない」と思っている人
  • チーム全員に導入したいが、ITリテラシーに差がある場合

4. URLで共有できるから、管理が楽

従来の画面録画ツールは、「録画→ローカルに保存→ファイルをアップロード→共有リンクを作成」という手順が必要でした。でもLoomは、録画が終わった瞬間にURLが発行されます。

しかも、動画はクラウド上に保存されるため、「あの動画、どこに保存したっけ?」と探す手間もありません。Loomのダッシュボードで一元管理できます。

どんな人にメリットか

  • 多くのクライアントに個別の説明動画を送る人(営業、コンサルタント)
  • 社内マニュアルを動画で作成・管理したい人

5. 視聴分析で「ちゃんと見てくれたか」がわかる

メールで資料を送っても、「読んでくれたかな…?」と不安になることがありますよね。Loomなら、誰がいつ動画を見たか、どこまで視聴したかがわかります。

例えば、営業担当者が製品デモ動画を送った場合、「見てくれたけど途中で離脱している→興味を持った部分と持たなかった部分がわかる」という分析ができます。

どんな人にメリットか

  • 営業・マーケティング担当者
  • 教育・研修担当者(受講者の視聴状況を把握したい)

気になった点・注意しておきたいポイント

1. 無料プランは動画数と時間に制限がある

無料の「Starter」プランでは、最大25本の動画までしか保存できず、1本あたりの録画時間は5分までです。個人で試す分には十分ですが、本格的に使うなら有料プランへのアップグレードが必要です。

こういう人には合わないかも

  • 長時間の録画(セミナー、ウェビナー)を頻繁に行う人
  • 無料で無制限に使いたい人

2. 日本語のAI機能の精度はまだ発展途上

Loomは英語圏のツールなので、日本語の音声認識やAI要約の精度は、英語に比べるとやや劣る部分があります。日本語で録画した場合、トランスクリプト(文字起こし)に誤字が混じることがあります。

ただし、日本語インターフェースは提供されており、基本的な操作に問題はありません。

こういう人には合わないかも

  • 日本語の自動字幕や要約に完璧な精度を求める人

3. 動画編集機能は基本的なもののみ

Loomはあくまで「コミュニケーション重視」のツールなので、動画編集機能は最小限です。トリミングや描画ツールはありますが、複雑なエフェクトやアニメーションは追加できません。

もし本格的な動画編集が必要なら、Premiere ProやFinal Cut Proなど専用ツールと併用する必要があります。

こういう人には合わないかも

  • YouTubeやSNS向けに、プロ品質の動画を作りたい人

4. インターネット接続が必須

Loomはクラウドベースのツールなので、録画後すぐにアップロードされます。そのため、インターネット環境がないと使えません。また、録画ファイルが大きい場合、アップロードに時間がかかることがあります。

こういう人には合わないかも

  • オフライン環境で作業することが多い人

5. セキュリティ・プライバシーへの配慮が必要

Loomで録画した動画は、URLを知っていれば誰でも視聴できます(デフォルト設定の場合)。機密情報を含む画面を録画する際は、パスワード保護ワークスペースメンバーのみに限定する設定を有効にしましょう。

こういう人は注意

  • 顧客情報や社内機密を扱う人
  • 企業のセキュリティポリシーが厳しい環境

類似ツールとの比較

Loomと似たツールはいくつかありますが、それぞれ特徴が異なります。

1. Loom vs Zoom

項目 Loom Zoom
コミュニケーション形式 非同期(録画→共有) リアルタイム(ビデオ会議)
主な用途 説明動画、マニュアル作成 ミーティング、ウェビナー
操作の簡単さ ワンクリックで録画開始 会議のスケジュール調整が必要

どちらを選ぶべきか

  • Loomが向いている人:「会議ではなく、自分のペースで伝えたい」「時差があるチームで働いている」
  • Zoomが向いている人:「リアルタイムで議論したい」「大規模なウェビナーを開催したい」

2. Loom vs OBS Studio

項目 Loom OBS Studio
料金 無料〜有料プラン 完全無料(オープンソース)
使いやすさ 初心者でも即使える 設定が複雑、学習コストが高い
用途 ビジネスコミュニケーション 配信、プロ向け録画

どちらを選ぶべきか

  • Loomが向いている人:「すぐに使い始めたい」「ビジネス用途で簡単に共有したい」
  • OBS Studioが向いている人:「YouTubeライブ配信をしたい」「無料で高度な録画設定をしたい」

3. Loom vs CloudApp

項目 Loom CloudApp
主な機能 画面録画+音声 画面録画+スクリーンショット
AI機能 要約、チャプター生成 GIFアニメーション、注釈
視聴分析 あり あり

どちらを選ぶべきか

  • Loomが向いている人:「音声付きで詳しく説明したい」「AI機能を活用したい」
  • CloudAppが向いている人:「スクリーンショット+簡単な注釈で十分」「GIF形式で共有したい」

Loomがハマる具体的なワークフロー例

ワークフロー例1:フリーランスデザイナーのクライアント納品

シチュエーション:ウェブサイトのデザインを納品する際、クライアントに「どこを修正したか」を説明したい。

  1. Loomで画面録画を開始:デザインツール(Figma、Adobe XD)を開く
  2. 修正箇所を画面に映しながら説明:「このボタンの色を青に変更しました。理由は…」
  3. 録画終了→URLをコピー:自動的にクラウドにアップロード
  4. メールやSlackでURLを送信:「納品物はこちらです。変更点を動画で説明しましたので、ご確認ください」
  5. 視聴分析で確認:クライアントが見たかどうかをチェック

メリット:テキストで長々と説明する必要がなく、クライアントも視覚的に理解しやすい。

ワークフロー例2:カスタマーサポートでの問い合わせ対応

シチュエーション:顧客から「この機能がうまく動かない」という問い合わせが来た。

  1. Loomで画面録画を開始:自社のサービス画面を開く
  2. 操作手順をステップバイステップで説明:「まずここをクリックして、次に…」
  3. 録画終了→URLをメールで送信:「こちらの動画で操作手順を説明しています」
  4. 顧客が視聴→問題解決:テキストだけでは伝わりにくい部分も、動画ならすぐ理解できる

メリット:同じ質問が来た場合、同じ動画URLを再利用できる。FAQ動画ライブラリを作れる。

まとめ:どんな人がLoomを選ぶべきか

Loomがおすすめな人

  • リモートワークで働いている人:非同期コミュニケーションで時間を節約したい
  • フリーランス・個人事業主:クライアントへの説明をスムーズにしたい
  • カスタマーサポート担当者:操作手順を視覚的に説明したい
  • チームリーダー・マネージャー:メンバーへの指示を明確に伝えたい
  • 教育・研修担当者:オンライン講義や研修動画を作りたい
  • 「会議が多すぎる」と感じている人:無駄な会議を減らしたい
  • 「テキストで説明するのが面倒」と感じている人:動画で一発で伝えたい

Loomをおすすめしない人

  • 本格的な動画編集をしたい人:プロ向け編集ソフトの方が適している
  • 完全無料で無制限に使いたい人:有料プランが必要になる
  • オフライン環境で作業する人:クラウドベースなのでネット接続必須
  • リアルタイムでのコミュニケーションが必要な人:Zoomなどビデオ会議ツールの方が適している

まとめ:Loomで「伝える」がもっと楽になる

Loomは、「テキストで説明するのは大変だけど、会議を設定するほどでもない」——そんなシーンで活躍するツールです。画面録画と音声を組み合わせることで、複雑な操作手順も、ニュアンスが伝わりにくいフィードバックも、驚くほど簡単に共有できます。

無料プランでも基本機能は十分使えるので、まずは試してみてください。「これ、もっと早く使っておけばよかった」と感じるかもしれません。

リモートワーク時代のコミュニケーションを、もっとスムーズに。Loomで、あなたの「伝える」を進化させましょう。

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