Notionレビュー|オールインワンワークスペースで何ができる?どんな人に向いているか

Notionワークスペースで生産性向上

「プロジェクト管理はTrello、メモはEvernote、ドキュメントはGoogleドキュメント、タスク管理は別のアプリ…」

こんなふうに、いくつものツールを行ったり来たりして、情報がバラバラになっている経験はありませんか?

Notion(ノーション)は、そんな「ツールの散らかり」を一気に解決できるオールインワンワークスペースです。ドキュメント、タスク管理、データベース、Wiki、プロジェクト管理など、さまざまな機能が1つのプラットフォームに統合されており、個人事業主から小規模チームまで幅広く活用されています。

さらに、2025年5月の大規模アップデート(Notion 3.0)でAI機能がビジネスプラン以上に標準搭載され、文章作成支援や要約、翻訳、データベース作成などがより簡単になりました。

この記事では、「Notionが自分に合うツールかどうか」を3分で判断できるよう、主な機能、メリット・デメリット、具体的な活用シーン、料金プランまで網羅的にレビューします。

Notionの概要と基本情報

Notionは、アメリカのNotion Labs社が開発した多機能ドキュメント・ワークスペースツールです。

カテゴリと位置づけ

Notionは以下のような複数のカテゴリにまたがるツールです:

  • ドキュメント作成・ナレッジ管理(Evernote、Confluenceの代替)
  • プロジェクト管理・タスク管理(Trello、Asanaの代替)
  • データベース・CRM(Airtable、Excelの代替)
  • 社内Wiki・情報共有(Scrapbox、Notionの代替)

つまり、「複数のツールの機能を1つにまとめたオールインワン型」という特徴があります。

代表的なユースケース

Notionは次のような場面で活躍します:

  • 個人の情報整理: 日記、読書メモ、アイデア帳、タスク管理、ライフログ
  • フリーランス・副業: 案件管理、見積書管理、クライアント情報データベース、ポートフォリオサイト
  • 小規模チーム: プロジェクト管理、議事録、社内マニュアル、ナレッジベース、タスクボード
  • コンテンツ制作: ブログ記事の下書き、編集カレンダー、SEOキーワード管理

料金プラン(2025年5月改定版)

Notionの料金プランは2025年5月13日に大幅に改定されました。主なポイントはAI機能がビジネスプラン以上に標準搭載されたことです。

プラン 月額料金(年払い) 主な対象 AI機能
フリー(個人) 無料 個人利用 なし
フリー(チーム) 無料 小規模チーム(最大10名) なし
プラス 約1,200円/ユーザー($10) 小規模チーム・個人事業主 なし
ビジネス 約2,250円/ユーザー($18) 成長中のチーム 標準搭載(無制限)
エンタープライズ 要問い合わせ 大企業 標準搭載(無制限)

※ 料金は為替レートにより変動します(2025年6月時点の目安)

重要なポイント:

  • フリープランでも基本機能は十分使える(ページ数無制限、ブロック数無制限)
  • AI機能を使いたい場合はビジネスプラン以上が必須
  • チームで使う場合、プラスプランは履歴保存期間が30日、ビジネスプランは90日

対応プラットフォーム

  • Webブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど)
  • デスクトップアプリ(Windows、macOS、Linux)
  • モバイルアプリ(iOS、Android)

すべてのデバイスでリアルタイム同期され、どこからでもアクセス可能です。オフラインでも編集でき、接続時に自動で同期されます。

日本語対応

UIは完全に日本語対応しており、AI機能も日本語で利用できます。ただし、公式ヘルプセンターやコミュニティは英語が中心です。

主な機能とできること

Notionの魅力は、「ブロック」という柔軟な構造にあります。テキスト、見出し、画像、チェックボックス、データベースなど、さまざまな要素を自由に組み合わせてページを作成できます。

1. ドキュメント作成

シンプルなメモから、見出し・箇条書き・画像・動画・埋め込みコンテンツを含む本格的なドキュメントまで作成可能。

実務での使い方例:

  • 提案書や企画書のドラフト作成
  • クライアント向けの資料作成(PDFエクスポート可能)
  • ブログ記事の下書き管理

2. データベース

テーブル、ボード(カンバン)、リスト、カレンダー、ギャラリー、タイムラインなど、6種類のビューでデータを管理できます。

実務での使い方例:

  • 顧客管理データベース(CRM)
  • 案件・プロジェクト管理(ステータス、担当者、締切を一覧管理)
  • コンテンツカレンダー(公開日、執筆者、SEOキーワードなどを記録)
  • タスク管理(カンバンボード形式で進捗を可視化)

3. テンプレート

公式テンプレートやコミュニティテンプレートが豊富に用意されており、すぐに使い始められます。

人気テンプレート例:

  • 議事録テンプレート
  • 週次レビューテンプレート
  • OKR管理テンプレート
  • プロジェクトトラッカー

4. Notion AI(2025年5月〜ビジネスプラン以上に標準搭載)

Notion 3.0のアップデートにより、AI機能が大幅に強化されました。

主なAI機能:

  • 文章作成支援: ブログ記事、メール、提案書などの下書き生成
  • 要約: 長文ドキュメントや議事録を瞬時に要約
  • 翻訳: 日本語⇔英語などの多言語翻訳
  • アイデア出し: ブレインストーミングのサポート
  • 文章の改善: より簡潔に、よりフォーマルに、など文体の調整
  • データベース自動作成: 質問に答えるだけでテーブルを自動生成
  • ミーティングノート文字起こし: 会議の音声を自動で文字起こし(ビジネスプラン以上)

実務での使い方例:

  • 会議後、議事録の要約をAIに依頼して3分で完成
  • クライアント向けメールの下書きをAIに生成してもらい、手直しして送信
  • 英語の資料を日本語に翻訳してチームに共有

5. 共同編集・コラボレーション

リアルタイムで複数人が同時編集でき、コメント機能やメンション機能で円滑にやり取りできます。

実務での使い方例:

  • チームメンバーと同時にプロジェクト計画書を編集
  • 外部パートナーに一部ページだけを共有(権限管理可能)
  • タスクに対してコメントでフィードバックをやり取り

6. 外部ツール連携・API

Slack、Google Calendar、GitHub、Figmaなど、多数の外部ツールと連携できます。また、APIを使って自動化やカスタマイズも可能です。

実務での使い方例:

  • Slackで特定のワードが投稿されたら、自動でNotionのデータベースに記録
  • Google Calendarの予定をNotionに同期
  • ZapierやMakeを使って、問い合わせフォームの内容を自動でNotionに記録

実際に触ってわかったメリット

1. 「複数ツールの一本化」で作業がシームレスになる

従来、ドキュメントはGoogleドキュメント、タスク管理はTrello、顧客管理はスプレッドシート…と分散していた情報を、Notionに集約することで、ツール間の移動時間が劇的に減ります

どんな人にメリットか:

  • 複数のツールを行き来することにストレスを感じている人
  • 情報がバラバラで探す時間が無駄だと感じている人
  • 小規模チームで、ツールのコストを抑えたい人

2. カスタマイズ性が非常に高く、自分仕様に作り込める

Notionは「自分でワークスペースを設計する」感覚で使えます。テンプレートを使ってもいいですし、ゼロから自分だけの構造を作ることも可能です。

例えば:

  • フリーランスなら、「案件管理」「請求書管理」「クライアント情報」を1つのページにまとめる
  • ブロガーなら、「記事アイデア」「下書き」「公開済み記事」をデータベースで一元管理

どんな人にメリットか:

  • 既存ツールの「決まった形」に縛られたくない人
  • 自分のワークフローに合わせてツールをカスタマイズしたい人
  • 試行錯誤しながら最適な形を見つけるのが好きな人

3. 無料プランでも十分使える(個人利用なら十分)

Notionの無料プランは、ページ数・ブロック数ともに無制限で、基本機能はすべて使えます。他の競合ツールと比較しても、無料プランの充実度は圧倒的です。

どんな人にメリットか:

  • 個人でメモやタスク管理に使いたい人
  • まずは無料で試してから、チーム利用を検討したい人
  • 予算をかけずにツールを導入したいスタートアップ

4. AI機能がビジネスプランに標準搭載され、コスパが向上

2025年5月のアップデートで、Notion AIがビジネスプラン以上に追加料金なしで使えるようになりました。以前はAI機能が月額$10/ユーザーの追加オプションでしたが、今はビジネスプラン(月額$18/ユーザー)に含まれています。

ChatGPTやClaudeなどの外部AIツールを使わなくても、Notion内で文章作成・要約・翻訳が完結するのは大きなメリットです。

どんな人にメリットか:

  • AI支援で文章作成や議事録要約を効率化したい人
  • 外部AIツールとの行き来を減らしたい人
  • チームでAI機能を使いたい中小企業

5. テンプレートとコミュニティが充実している

公式テンプレートに加え、コミュニティが作成した無料テンプレートが豊富にあります。「Notion テンプレート」で検索すれば、無数のテンプレートが見つかり、すぐに使い始められます。

また、日本語のNotion活用ブログやYouTubeチャンネルも多く、学習コストを下げる情報が充実しています。

どんな人にメリットか:

  • ゼロから設計するのが苦手な人
  • 他の人の使い方を参考にしたい人
  • すぐに使い始めたい人

気になった点・注意しておきたいポイント

1. 学習コストがやや高い(最初の設計が重要)

Notionは自由度が高い反面、「何をどう作るか」を自分で決める必要があります。特に初心者は、「ページをどう階層化するか」「データベースをどう設計するか」で迷うことがあります。

テンプレートを使えばすぐ始められますが、カスタマイズしようとすると、ある程度の学習が必要です。

こういう人には合わないかも:

  • 「とにかくシンプルで、すぐ使えるツールが欲しい」という人
  • ツールの設計に時間をかけたくない人

対策:

  • まずは公式テンプレートやコミュニティテンプレートを使ってみる
  • YouTube動画やブログ記事で「Notion 初心者」と検索して学ぶ
  • 最初はシンプルに始めて、徐々にカスタマイズしていく

2. AI機能を使いたい場合、ビジネスプラン以上が必須

Notion AIは非常に便利ですが、フリープランとプラスプランでは使えません。ビジネスプラン(月額$18/ユーザー、約2,250円)以上が必要です。

個人で使う場合、AIなしでも十分活用できますが、「AI機能を試したい」という理由だけでビジネスプランに加入するのはコストが高いかもしれません。

こういう人には合わないかも:

  • 個人利用で、AI機能だけを使いたい人(ChatGPTやClaudeを別途契約した方が安い場合も)

対策:

  • まずは無料プランで使ってみて、本当にAI機能が必要か見極める
  • チームで使う場合、ビジネスプランのコスパは高いので検討する価値あり

3. データベース機能は、Excelやスプレッドシートほど高機能ではない

Notionのデータベースは視覚的で使いやすいですが、複雑な計算式や関数、ピボットテーブルなどはExcelやGoogleスプレッドシートに劣ります

また、大量データ(数万行以上)を扱う場合、動作が重くなることがあります。

こういう人には合わないかも:

  • 高度なデータ分析や複雑な計算が必要な人
  • 数万行以上のデータを管理したい人

対策:

  • 複雑な計算はGoogleスプレッドシートで行い、Notionには概要や関連ドキュメントを記録する
  • データ量が多い場合はAirtableなど専門ツールを検討

4. オフライン機能は限定的

Notionはオフラインでも編集できますが、同期はオンライン時のみです。また、オフライン時に新規ページを作成すると、同期時に不具合が出ることがあります。

こういう人には合わないかも:

  • 頻繁にオフライン環境で作業する人

対策:

  • 重要な作業はオンライン時に行う
  • オフライン時はメモ程度にとどめ、オンライン後に整理する

5. 日本語のサポートは限定的

UIは日本語対応していますが、公式サポートやヘルプセンターは英語が中心です。問題が発生した際、日本語での情報が少ない場合があります。

ただし、日本のNotionコミュニティやブログが活発なので、多くの場合は日本語の情報で解決できます。

類似ツールとの比較

Notionは「オールインワン」という特性上、複数の競合ツールと比較されます。

Notion vs Evernote(メモ・ノート管理)

項目 Notion Evernote
強み カスタマイズ性、データベース、チーム共同編集 シンプル、高速、OCR機能、Webクリッパー
無料プラン ページ数無制限 デバイス2台まで、月間60MBまで
向いている人 情報を構造化して管理したい人、チーム利用 シンプルにメモを取りたい人、個人利用

結論: シンプルにメモだけ取りたいならEvernote、データベースやプロジェクト管理も含めて一元管理したいならNotionがおすすめです。

Notion vs Trello(タスク・プロジェクト管理)

項目 Notion Trello
強み カンバン以外のビューも可能、ドキュメントと統合 カンバン特化、直感的、パワーアップ機能
学習コスト やや高い 低い
向いている人 タスク管理だけでなく、関連ドキュメントも一緒に管理したい人 シンプルなカンバンボードだけ使いたい人

結論: カンバンボードに特化したいならTrello、タスク管理と同時にドキュメントや議事録も管理したいならNotionがおすすめです。

Notion vs Confluence(社内Wiki・ナレッジ管理)

項目 Notion Confluence
強み 使いやすい、デザイン性、多機能 Jira連携、エンタープライズ向け機能
料金 比較的安価 やや高価
向いている人 小〜中規模チーム 大企業、Jiraを使っているチーム

結論: 小規模チームで使いやすいツールが欲しいならNotion、大企業でJiraと連携したいならConfluenceがおすすめです。

Notion vs Airtable(データベース)

項目 Notion Airtable
強み ドキュメントとデータベースを統合 データベース特化、複雑なリレーション、自動化
データ処理能力 小〜中規模データ向け 大規模データに強い
向いている人 データベースとドキュメントを一緒に管理したい人 複雑なデータベース管理が必要な人

結論: データベース専門ツールが欲しいならAirtable、ドキュメントと一体化したデータベースが欲しいならNotionがおすすめです。

Notionがハマる具体的なワークフロー例

ワークフロー例1: フリーランスの案件管理

シチュエーション: フリーランスのWebデザイナーが、複数クライアントの案件を同時進行で管理

Notionでの実現方法:

  1. 「案件データベース」を作成
    • プロパティ: 案件名、クライアント名、ステータス(提案中/進行中/完了)、締切日、報酬、メモ
    • ビュー: カンバンボード(ステータス別)、カレンダー(締切日)、テーブル(一覧)
  2. 各案件ページに関連情報を集約
    • クライアントとのやり取り記録
    • デザイン案のリンク(Figmaなど)
    • 請求書PDF
    • タスクリスト(チェックボックス)
  3. Notion AIで議事録を要約
    • クライアントとの打ち合わせ後、メモを貼り付けてAIに要約してもらう
  4. 月次レビューページを作成
    • 完了した案件の振り返り、収益サマリー、改善点をまとめる

メリット:

  • 案件情報が一箇所に集約され、探す時間がゼロに
  • カレンダービューで締切が視覚的に把握できる
  • 過去案件の記録を検索して、類似案件の見積もり参考にできる

ワークフロー例2: ブログ運営者のコンテンツ管理

シチュエーション: 個人ブログを運営し、週2本の記事を公開

Notionでの実現方法:

  1. 「記事データベース」を作成
    • プロパティ: タイトル、ステータス(アイデア/執筆中/レビュー/公開済み)、公開日、カテゴリ、SEOキーワード、PV数
    • ビュー: カンバンボード(ステータス別)、カレンダー(公開日)、テーブル(一覧)
  2. 記事の下書きをNotionで執筆
    • 見出し、本文、画像をブロックで構成
    • Notion AIで文章を改善(より簡潔に、など)
  3. SEOキーワードリサーチページを作成
    • キーワードごとに検索ボリューム、競合記事、狙いどころをメモ
  4. 公開後、PV数やSNSシェア数を記録
    • どんな記事が人気か分析し、次の記事企画に活かす

メリット:

  • 記事のアイデアから公開までを一元管理
  • 執筆スケジュールがカレンダービューで一目瞭然
  • 過去記事のSEOデータを蓄積し、改善に活かせる

まとめ: どんな人がNotionを選ぶべきか

Notionがおすすめな人

  • 複数ツールを一本化したい人: ドキュメント、タスク管理、データベースをバラバラに使うのが面倒
  • 自分仕様にカスタマイズしたい人: 既存ツールの「決まった形」に縛られたくない
  • 小規模チームで情報共有したい人: プロジェクト管理、議事録、マニュアルを一箇所にまとめたい
  • まずは無料で試したい人: 無料プランでも基本機能が十分使える
  • AI機能で効率化したい人(ビジネスプラン以上): 文章作成、要約、翻訳などをNotionだけで完結させたい

Notionがおすすめしない人

  • シンプルで即座に使えるツールが欲しい人: 学習コストをかけずに今すぐ使いたいなら、TrelloやEvernoteの方が適している
  • 高度なデータ分析が必要な人: 複雑な計算式や大量データ処理にはExcelやAirtableが向いている
  • オフライン環境で頻繁に作業する人: オフライン機能は限定的

まず試してみるなら

Notionは無料プランでページ数・ブロック数無制限なので、まずは気軽に試してみるのがおすすめです。

公式テンプレートやコミュニティテンプレートを使えば、すぐに使い始められます。

「本当に自分のワークフローに合うか?」を実際に触って確かめてから、有料プランを検討しましょう。

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