ゴールと前提条件
このワークフローでは、採用業務における応募者管理から面接スケジュール調整、選考状況の共有までを自動化します。採用担当者が日々行う繰り返し作業の約70%を削減し、候補者とのコミュニケーションや面接そのものに集中できる環境を整えます。
自動化する業務範囲
- 応募者情報の自動取り込みとデータベース化
- 応募受付の自動返信メール送信
- 書類選考結果の通知と面接日程調整の案内
- 面接予定の自動カレンダー登録とリマインド
- 選考状況の社内共有とステータス更新
- 不合格通知や内定通知の自動送信
前提となる環境
このワークフローを実装するには、以下のツールとアカウントが必要です:
- Notionのアカウント(応募者データベースとして使用)
- Make(旧Integromat)のアカウント(無料プランでも開始可能)
- Google Calendar(面接スケジュール管理用)
- ChatGPT APIのアクセス権(メール文面の自動生成用)
- Gmailアカウント(候補者とのメール送受信用)
いずれも基本的な機能は無料で利用できますが、ChatGPT APIは従量課金制です。ただし、採用メールの生成程度であれば月額数百円程度のコストで運用可能です。
全体フローの俯瞰図
採用業務の自動化は、以下の5つのステップで構成されます:
- トリガー:応募フォームからの情報送信
求職者が応募フォーム(Googleフォームやタイプフォームなど)に入力して送信すると、自動的にワークフローが起動します。 - 情報整理:Notionデータベースへの自動登録
応募者の氏名、連絡先、経歴、志望動機などの情報を自動的にNotionの応募者管理データベースに登録します。 - AI処理:ChatGPTによる自動返信メール生成
応募内容に応じて、ChatGPTが候補者に送る確認メールや次のステップの案内メールを自動生成します。 - スケジュール管理:面接日程の自動調整とカレンダー登録
候補者が選択した面接希望日時を基に、Google Calendarに自動的に予定を登録し、面接官にも通知します。 - 通知・記録:選考状況の自動更新と社内共有
選考が進むたびにNotionのステータスを更新し、関係者にSlackやメールで通知します。
このフローにより、応募受付から面接設定までを人の手を介さずに完結させることができます。採用担当者は、書類選考の判断や面接の実施といった「人間でなければできない」業務に専念できるようになります。
使用するツールと役割
このワークフローでは、4つの主要ツールがそれぞれ明確な役割を担います。
Notion:応募者データベースの中核
Notionは、応募者のすべての情報を一元管理するデータベースとして機能します。以下のような情報を構造化して保存します:
- 基本情報(氏名、メールアドレス、電話番号)
- 応募情報(応募職種、履歴書・職務経歴書のリンク)
- 選考ステータス(書類選考中、一次面接予定、二次面接完了、内定、不合格など)
- 面接日時と面接官
- 評価メモやコメント
Notionのデータベースビュー機能を使うことで、ステータス別、職種別、面接日別など、さまざまな切り口で応募者情報を可視化できます。
Make:ワークフロー全体の司令塔
Makeは、各ツール間のデータ連携を自動化する中核システムです。このワークフローでは以下の処理を担当します:
- 応募フォームからのデータ受信とNotionへの登録
- Notionのステータス変更を監視し、適切なアクションをトリガー
- ChatGPT APIへのリクエスト送信とレスポンス処理
- Gmailでのメール送信
- Google Calendarへの予定登録
Makeの視覚的なフローエディタを使うことで、複雑な条件分岐も直感的に設計できます。
Google Calendar:面接スケジュールの可視化
Google Calendarは、面接予定を自動的に登録し、面接官と候補者の両方にリマインドを送る役割を果たします。
- 候補者が選択した面接希望日時を自動登録
- 面接官のカレンダーに予定を反映
- 面接30分前の自動リマインド通知
- オンライン面接の場合、Google MeetのURLを自動生成
ChatGPT API:メール文面の自動生成
ChatGPT APIは、候補者に送るメール文面を自動生成します。定型文ではなく、応募内容や選考状況に応じてパーソナライズされた文面を作成できるのが強みです。
- 応募受付の確認メール
- 書類選考通過の連絡と面接日程調整の案内
- 面接日確定の通知とアクセス情報
- 不合格通知(丁寧かつ前向きなトーンで)
- 内定通知と次のステップの案内
ChatGPTにプロンプトで「丁寧で親しみやすいトーン」「候補者の不安を和らげる表現」といった指示を与えることで、企業のブランドイメージに合った文面を生成できます。
手順詳細(ステップバイステップ)
ここからは、実際の設定手順を順を追って解説します。初めて自動化に取り組む方でも、画面を見ながら進められるように詳しく説明します。
STEP 1:Notionで応募者管理データベースを作成する
まず、Notionで応募者情報を管理するデータベースを作成します。
- Notionで新規ページを作成し、「データベース – テーブル」を選択
- データベース名を「応募者管理」などに設定
- 以下のプロパティ(列)を追加します:
- 氏名(タイトル)
- メールアドレス(メール形式)
- 電話番号(電話形式)
- 応募職種(セレクト形式:エンジニア、マーケター、セールスなど)
- 応募日(日付形式)
- 選考ステータス(セレクト形式:応募受付、書類選考中、一次面接予定、一次面接完了、二次面接予定、二次面接完了、最終面接予定、最終面接完了、内定、不合格)
- 履歴書URL(URL形式)
- 職務経歴書URL(URL形式)
- 志望動機(テキスト形式)
- 面接日時(日付形式)
- 面接官(テキスト形式)
- 評価メモ(テキスト形式)
- データベースの共有設定から「Makeからのアクセス」を許可するため、Notion APIとの連携を有効化します
つまづきポイント:Notion APIの連携設定は、Notionの「設定 > 接続」から行います。Makeで使用する「インテグレーション」を作成し、作成したデータベースをそのインテグレーションと共有する必要があります。
STEP 2:応募フォームを作成する
Googleフォームやタイプフォームなどで、応募者が情報を入力するフォームを作成します。ここではGoogleフォームを例に説明します。
- Googleフォームで新規フォームを作成
- 以下の質問項目を追加:
- 氏名(記述式、必須)
- メールアドレス(記述式、必須、メール形式で検証)
- 電話番号(記述式、必須)
- 応募職種(プルダウン:エンジニア、マーケター、セールスなど)
- 履歴書(ファイルアップロード)
- 職務経歴書(ファイルアップロード)
- 志望動機(段落形式、必須)
- 面接希望日時(日付と時刻、複数回答可能にして第1〜第3希望を選択させる)
- フォームの送信先をGoogleスプレッドシートに設定(自動的に回答が記録されます)
つまづきポイント:ファイルアップロード機能を使う場合、Googleドライブの保存先フォルダを指定する必要があります。応募者全員がアクセスできる権限設定になっているか確認しましょう。
STEP 3:Makeで自動化シナリオを構築する(前半:応募情報の取り込み)
Makeにログインし、新規シナリオを作成します。まずは「応募フォーム送信→Notionに登録→確認メール送信」の流れを作ります。
- トリガーモジュールの設定
- 「Google Sheets」モジュールを追加
- 「Watch Rows」を選択(新しい行が追加されたら起動)
- 応募フォームの回答が記録されるスプレッドシートを指定
- 実行頻度を「15分ごと」に設定(リアルタイムに近い形で処理)
- Notion登録モジュールの設定
- 「Notion」モジュールを追加
- 「Create a Database Item」を選択
- 先ほど作成した「応募者管理」データベースを指定
- 各プロパティにGoogleシートの列をマッピング:
- 氏名 → シートの「氏名」列
- メールアドレス → シートの「メールアドレス」列
- 電話番号 → シートの「電話番号」列
- 応募職種 → シートの「応募職種」列
- 応募日 → シートの「タイムスタンプ」列
- 選考ステータス → 固定値「応募受付」
- 履歴書URL → シートの「履歴書」列(Googleドライブのリンク)
- 職務経歴書URL → シートの「職務経歴書」列
- 志望動機 → シートの「志望動機」列
- ChatGPTでメール文面生成モジュールの設定
- 「OpenAI」モジュールを追加
- 「Create a Completion」を選択
- プロンプトを以下のように設定:
あなたは採用担当者です。以下の応募者に対して、応募を受け付けたことを伝える丁寧で親しみやすいメールを作成してください。
応募者名:{{氏名}}
応募職種:{{応募職種}}
メールには以下の内容を含めてください:
1. 応募に対する感謝の言葉
2. 今後の選考フローの簡単な説明(書類選考→面接の流れ)
3. 書類選考結果は1週間以内にご連絡する旨
4. 企業への期待や関心を示していただいたことへの感謝
件名と本文をそれぞれ明確に分けて出力してください。
- Gmailでメール送信モジュールの設定
- 「Gmail」モジュールを追加
- 「Send an Email」を選択
- 宛先:{{メールアドレス}}(応募者のメールアドレス)
- 件名:{{ChatGPTの出力から件名部分を抽出}}(Makeのテキストパーサー機能を使用)
- 本文:{{ChatGPTの出力から本文部分を抽出}}
つまづきポイント:ChatGPTの出力から件名と本文を分離するには、Makeの「Text Parser」モジュールを使い、「件名:」と「本文:」という文字列で分割します。正規表現を使うとより確実です。
STEP 4:Makeで自動化シナリオを構築する(後半:面接調整とカレンダー登録)
次に、書類選考を通過した候補者に対して面接日程を確定し、Google Calendarに登録する流れを作ります。
- Notionステータス変更の監視
- 新しいシナリオを作成(または既存シナリオに分岐を追加)
- 「Notion」モジュールを追加
- 「Watch Database Items」を選択
- フィルター条件:「選考ステータス」が「一次面接予定」に変更されたら起動
- 面接案内メールの生成と送信
- 「OpenAI」モジュールで面接日程確定のメールを生成
- プロンプト例:
あなたは採用担当者です。以下の候補者に対して、一次面接の日程を確定したことを伝えるメールを作成してください。
候補者名:{{氏名}}
面接日時:{{面接日時}}
面接形式:オンライン(Google Meet)
面接官:{{面接官}}
メールには以下の内容を含めてください:
1. 書類選考通過のお祝いの言葉
2. 面接日時の明記
3. 面接形式とアクセス方法(Google MeetのURLは後ほど追記します)
4. 準備しておくと良いこと(職務経歴の具体的なエピソード、質問事項など)
5. 当日楽しみにしていることを伝える前向きな締めくくり
件名と本文をそれぞれ明確に分けて出力してください。
- Google Calendarに面接予定を登録
- 「Google Calendar」モジュールを追加
- 「Create an Event」を選択
- カレンダー:面接用カレンダーを指定
- イベント名:「【一次面接】{{氏名}}様 – {{応募職種}}」
- 開始日時:{{面接日時}}
- 終了日時:{{面接日時の1時間後}}(Makeの日時計算機能を使用)
- 参加者:候補者のメールアドレス、面接官のメールアドレス
- 説明欄:候補者の基本情報やNotionデータベースへのリンクを記載
- Google Meet自動生成:ON
- Google MeetのURLをメールに追記して送信
- 「Gmail」モジュールでメール送信
- 本文に、Google Calendarから取得したMeet URLを追記
つまづきポイント:Google Calendarの「Create an Event」モジュールでは、開始日時と終了日時を必ず指定する必要があります。Notionに保存されている面接日時をそのまま使う場合、時刻のフォーマットがISO 8601形式(例:2025-12-02T14:00:00+09:00)になっているか確認しましょう。
STEP 5:選考ステータスの自動更新と通知設定
面接後の評価入力や次のステップへの移行も自動化できます。
- 面接完了後の自動ステータス更新
- Google Calendarの「Watch Events」モジュールで、面接予定が終了したら起動
- Notionの「Update a Database Item」モジュールで、該当候補者のステータスを「一次面接完了」に更新
- Slackで社内通知
- 「Slack」モジュールを追加
- 「Create a Message」を選択
- 通知先チャンネル:#採用情報などの専用チャンネル
- メッセージ内容:「{{氏名}}様の一次面接が完了しました。評価入力をお願いします。」+ Notionページへのリンク
- 最終判断後の自動メール送信
- Notionで選考ステータスが「内定」または「不合格」に変更されたら起動
- ChatGPTで内定通知または不合格通知のメールを生成
- Gmailで送信
STEP 6:テスト実行と調整
すべてのモジュール設定が完了したら、必ずテスト実行を行います。
- Makeのシナリオで「Run once」をクリック
- 実際に応募フォームに自分でテストデータを入力
- 各ステップが正常に実行されるか確認:
- Notionに応募者情報が登録されているか
- 確認メールが届いているか
- ステータスを手動で変更したときに、次のアクションが起動するか
- Google Calendarに面接予定が登録されているか
- 面接案内メールにMeet URLが含まれているか
- エラーが発生した場合は、Makeのエラーログを確認し、モジュール設定を見直します
つまづきポイント:テスト実行時に「Permission denied」エラーが出る場合、各ツールの連携権限が正しく設定されているか確認しましょう。特にNotion APIとGoogle Calendarは、明示的に「Make」からのアクセスを許可する必要があります。
自動化前後でどう変わるか(ビフォーアフター)
このワークフローを導入することで、採用業務がどのように変化するのか、具体的な数字とともに見ていきましょう。
作業時間の削減
| 作業項目 | 自動化前(1人あたり) | 自動化後(1人あたり) | 削減時間 |
|---|---|---|---|
| 応募情報の手動入力 | 5分 | 0分 | 5分 |
| 応募受付メールの作成・送信 | 3分 | 0分 | 3分 |
| 面接日程調整のメールやりとり | 15分 | 2分(希望日確認のみ) | 13分 |
| カレンダーへの面接予定登録 | 3分 | 0分 | 3分 |
| 面接確定メールの作成・送信 | 5分 | 0分 | 5分 |
| 選考状況の社内共有 | 3分 | 0分 | 3分 |
| 合計 | 34分 | 2分 | 32分(約94%削減) |
月に20人の応募があると仮定すると、月間で約10時間以上の作業時間を削減できます。年間では120時間以上、つまり約3週間分の労働時間に相当します。
ミスの削減
手動での業務では、以下のようなミスが発生しがちです:
- 応募者への返信漏れ(特に大量応募時)
- 面接日時の入力ミスやダブルブッキング
- メールの宛名間違い(コピー&ペーストミス)
- 選考ステータスの更新忘れ
自動化によって、これらのヒューマンエラーをほぼゼロにできます。特に、応募者への返信漏れは企業の評判に直結するため、自動化による恩恵は大きいです。
メンバー間の情報共有のしやすさ
従来は、ExcelファイルやメールCCでの情報共有が主流でしたが、以下のような問題がありました:
- 最新の選考状況がどこにあるか分からない
- 誰がどの候補者を担当しているか不明瞭
- 過去のやりとりを探すのに時間がかかる
Notionをデータベースとして使うことで、すべての情報が一箇所に集約され、チーム全員がリアルタイムで最新状況を把握できます。また、候補者ごとのページに評価コメントを残すことで、面接官間での情報共有もスムーズになります。
応用・拡張アイデア
基本的なワークフローが稼働したら、以下のような拡張機能を追加して、さらに効率化を図ることができます。
1. Slackでの通知とインタラクティブな操作
Slackの通知を、単なる「お知らせ」から「アクション可能な通知」に進化させます。
- Slackのボタンを使って、Notionのステータスを直接変更できるようにする
- 例:「書類選考通過」「不合格」のボタンをSlack通知に追加し、クリックするだけでステータスを更新
- MakeのWebhook機能とSlack APIを組み合わせて実装
2. ChatGPTによる応募書類の自動要約
履歴書や職務経歴書が長文の場合、ChatGPTで要約を作成し、Notionの評価メモ欄に自動記入します。
- Googleドライブに保存された履歴書をOCRでテキスト化
- ChatGPTに「この候補者の強みを3つ挙げてください」といったプロンプトを与える
- 要約結果をNotionに自動記入し、書類選考の判断材料にする
3. 面接評価のスコアリングとデータ分析
Notionに面接評価スコア(技術力、コミュニケーション力、カルチャーフィットなど)を入力するフィールドを追加し、Googleスプレッドシートに自動同期して分析します。
- どの職種の採用が難航しているか
- どの媒体からの応募者が選考通過率が高いか
- 面接官ごとの評価傾向の可視化
4. カレンダー自動調整ツールとの連携
さらに自動化を進めたい場合、CalendlyやSpirといった日程調整ツールと連携することで、候補者が自分で面接日時を選べるようにします。
- 書類選考通過メールにCalendlyのリンクを添付
- 候補者が自分の都合の良い日時を選択
- 選択された日時が自動的にGoogle Calendarに登録され、Notionにも反映
5. 不合格者へのフォローアップキャンペーン
今回は不合格となった候補者でも、将来的に別のポジションで再応募してもらえる可能性があります。
- 不合格となった候補者のリストを自動的に抽出
- 6ヶ月後に「新しいポジションが空きました」といった案内メールを自動送信
- 優秀だったが今回は見送った候補者には、特別な「タレントプール」リストに登録して継続的に関係を維持
よくある質問・つまづきポイントQ&A
Q1:Makeのシナリオが起動しないのですが、どうすれば良いですか?
A:以下の点を確認してください:
- シナリオが「ON」になっているか(画面右下のトグルスイッチを確認)
- トリガーモジュール(Google SheetsやNotion)の実行頻度が適切に設定されているか
- 各ツールの連携権限が有効になっているか(特にNotion APIとGoogle連携)
- Makeの実行履歴を確認し、エラーメッセージがあれば内容を読む
特に、Notionの「Watch Database Items」は、データベースを共有設定でMakeのインテグレーションに許可していないと動作しません。
Q2:ChatGPTで生成されるメール文面が毎回同じになってしまいます
A:ChatGPTのパラメータ設定で「Temperature」を0.7〜1.0に上げることで、文章のバリエーションが増えます。また、プロンプトに「毎回異なる表現で」「前向きで親しみやすいトーンで」といった指示を追加すると、より自然な文章になります。
Q3:Google Calendarの予定が重複してしまいます
A:Makeのシナリオが複数回実行されている可能性があります。「Run once」設定や、実行条件に「すでにカレンダーに登録済みかチェックする」フィルターを追加しましょう。Notionに「カレンダー登録済み」フラグを立てて、二重登録を防ぐのが確実です。
Q4:応募者から「メールが届かない」と連絡が来ました
A:自動送信メールが迷惑メールフォルダに入っている可能性があります。以下の対策が有効です:
- Gmailの送信者名を企業の公式名称にする
- SPFやDKIM設定を行い、なりすましメールではないことを証明する
- メール本文に「このメールは自動送信されています」といった文言を入れ、安心感を与える
Q5:途中でエラーが出たら、それ以降の処理はどうなりますか?
A:Makeでは、エラーが発生した時点でシナリオの実行が停止します。エラーハンドリングを設定することで、失敗時にSlack通知を送ったり、リトライ処理を行ったりできます。「Error Handler」モジュールを追加して、エラー時の対応を設計しましょう。
Q6:ChatGPT APIの利用料金が心配です
A:メール生成程度であれば、1通あたり数円程度のコストです。月に100人の応募があっても、数百円〜1000円程度で収まります。コストが気になる場合は、OpenAIの使用量ダッシュボードで定期的にチェックし、上限金額を設定しておくと安心です。
まとめ:まずどこから着手すべきか
採用業務の自動化は、一度にすべてを実装しようとすると複雑になりすぎて挫折しやすいです。まずは小さく始めて、徐々に拡張していくのが成功のコツです。
最初の一歩:応募情報の自動取り込みとNotionデータベース化
まずは、「応募フォーム → Notionに自動登録」だけを実装してみましょう。これだけでも、手作業でExcelに入力する手間が省けます。Notionでデータベースを一元管理できるようになれば、チーム全員が情報にアクセスしやすくなります。
所要時間:1〜2時間
次のステップ:確認メールの自動送信
応募者への返信漏れを防ぐため、確認メールの自動送信を追加します。ChatGPTを使わず、固定文面でも構いません。慣れてきたらChatGPTで文面を自動生成するように拡張しましょう。
所要時間:1時間
さらに進める:面接日程調整の自動化
最も時間がかかる「面接日程調整」を自動化します。Google Calendarとの連携、面接案内メールの自動送信まで実装できれば、採用業務の大部分が自動化されます。
所要時間:2〜3時間
継続的な改善
ワークフローを運用しながら、「ここも自動化できそうだ」というポイントが見えてきます。Slackとの連携、選考結果の自動通知、評価データの分析など、自社の採用プロセスに合わせてカスタマイズしていきましょう。
自動化によって生まれた時間を、候補者とのより深いコミュニケーションや、採用戦略の見直しに使うことで、採用の質そのものが向上します。単なる効率化にとどまらず、「良い人材を採用する確率を高める」ための投資として、ぜひこのワークフローを活用してください。
まずは今日、Notionでデータベースを作るところから始めてみましょう。一歩踏み出せば、採用業務の景色が変わります。